既報の通り、NTTドコモは3月24日から、My docomo(Web手続きサイト)を通した携帯電話回線の解約を受け付けている。
ソフトバンクやau(KDDIと沖縄セルラー電話)、MVNOではWebでの解約手続きを受け付けているのだろうか。4月26日に総務省が開催した「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」の合同会合で配布された資料を使って、Web解約を巡る状況を解説する。
先述の通り、ドコモは3月24日からWebを使った解約手続きを受け付けている。ただし、以下のいずれかの条件に当てはまる回線(契約)については、Web手続きの対象外となっている。
4月26日に行われた総務省での会合において、ドコモは上記の条件に当てはまる回線についても、2021年夏をめどにWebでの解約手続きを可能とする方針を示した。ただし、システム開発の都合で、一部条件についてはWeb手続きの受け付け開始が遅れる可能性があるという。
ソフトバンクは、「Y!mobile」「LINEMO」ブランドにおいてWebにおける解約手続きを受け付けている(※)。一方で、メインの「SoftBank」ブランドではWebでの解約を受け付けていない。
手続きを受け付けているY!mobile/LINEMOブランドでは、検索サイト経由で解約手続きサイトにアクセスできるようにしている他、解約手続きに係る「重要事項説明」もWeb上で行っている。
SoftBankブランドにおけるWebを使った解約手続きについては、Y!mobile/LINEMOブランドにおける「お客さまの理解度等の状況を踏まえて検討中」だという。今後の導入に含みを持たせた格好だ。
(※)沖縄県ではY!mobileブランドの通信サービスを「ウィルコム沖縄」が提供しているが、他の46都道府県でソフトバンクが提供するY!mobileの通信サービスと同様の扱いとなっている
KDDIと沖縄セルラー電話では、「povo」ブランドにおいてWebにおける解約手続きを受け付けており、「UQ mobile」ブランドでは電話窓口での解約を受け付けている。しかし、メインの「au」ブランドではWebや電話窓口での解約を受け付けていない。
先述の通り、ソフトバンクはメインブランドにおけるWeb経由での解約手続きを検討する旨を表明しているが、総務省に提出された資料を見る限り、KDDIはauブランドにおけるWebを使った解約手続きの導入に消極的なようだ。
KDDIは資料で、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)を使って他キャリア(MVNOを含む)への転出を検討したユーザーが間違って「(単純な)解約」を選択してしまった場合、解約した瞬間に通信サービス(通話など)を利用できなくなり、取り返しが付かないと説明している。少し見方を変えれば、MNPは通信サービスを継続できるからWeb手続きにも対応したということになる。
「じゃあなんでpovoはオンライン解約に対応しているの?」という話になるが、それは「比較的オンラインに慣れ親しんだ方のご利用を想定していることから」対応しているという。
その上で、KDDIは今後Webでの解約受け付けを義務化する方針を示す場合は、「新たなトラブル抑止の方策を含め、丁寧な議論をお願いします」としている。
MNOから無線通信設備を借りて通信サービスを提供するMVNOは、顧客対応に必要なコストを削減することで低廉な通信料金を実現していることが多い。コスト削減の一環で、Webを使った解約に対応しているケースも多いが“全て”のMVNOが対応しているわけではない。
今回の会合では、ヒアリングを受けてテレコムサービス協会MVNO委員会が会員企業17社から聞き取った調査結果が公表された。Webを使った解約手続きの対応状況は以下の通りだという。
17社中5社がWeb解約に全く対応していないのは意外に多いと思う人もいるかもしれない。非対応となっているMVNOに理由を尋ねた所、以下のような理由が挙げられたという。
一部を含めWeb手続きに対応していない6社のうち、1社はWebでの解約手続きの導入する予定があり、3社は検討を進めているという。残る2社は導入を予定していないとのことだ。
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