音声SNSの「Clubhouse」が年内に日本語化 「日本は優先順位の高い国」

» 2021年10月01日 15時05分 公開
[房野麻子,ITmedia]

 音声SNS「Clubhouse」を提供する Clubhouse(クラブハウス)は、9月30日にClubhouse上で日本の報道関係者向けに説明会を開催した。クラブハウスが日本で記者会見を行うのは今回が初となる。なお、通常、Clubhouseでは音声の録音や会話の書き起こしは許可されていないが、この説明会では記事化のための録音や登壇者のスクリーンショット撮影が許可された。

Clubhouse 説明会はClubhouse上で行われた

 説明会にはクラブハウスのCEO 兼共同創業者ポール・デイビソン氏、同CTO 兼共同創業者ローハン・セス氏、同国際部門統括責任者のアーティ・ラママーシーが登場。また、ゲストスピーカーとして、Clubhouseクリエイターで「プロセスエコノミー」の著者、尾原和啓氏も参加した。

 ポール氏はClubhouseの成り立ちや事業戦略を語る中で、今後、数カ月の間にClubhouseを日本語に対応させることと、Clubhouse上で活動するクリエイターの収益化をサポートすることを明らかにした。

Clubhouse Clubhouse CEO 兼共同創業者、ポール・デイビソン氏
Clubhouse Clubhouse CTO 兼共同創業者、ローハン・セス氏
Clubhouse Clubhouse 国際部門統括責任者、アーティ・ラママーシー氏

「Clubhouse」開発の背景

 共同創業者のポール氏とローハン氏は10年以上前に知り合った。当時、2人ともSNSの業務を行っていたという。2人で一緒に何かしようと話し合ってきたが、「2人とも子どもを持ついい大人なので、SNSはやらない方がいいよねと話していた」(ポール氏)という。そこで、2人が好きなオーディオを使ったサービスを検討したが、最終的には音声SNSのClubhouseを始める。

 「音声のコンテンツを作って成功するのは難しいと思った。ポッドキャストは本当に頑張っているが、すごく難しいと思う。教育系アプリ、エンタープライズ、ビジネス系のアプリとか?……SNSのアプリを作り上げるしかないってこと? ありゃりゃ、参ったと僕たちは思った(笑)」(ポール氏)

 Clubhouseは2020年3月に開始。非常に小人数のチームで始め、「慎重にコミュニティーを成長させよう」(ポール氏)と考えていたという。そのため、世界中で注目され、ユーザーの波が押し寄せることは予測していなかったそうだ。

 「いきなり大きくなりすぎて、崩壊してしまうことを懸念していた。Clubhouseを楽しんでくれてうれしかったが、小さなチームとしては、まだ準備ができていなかったと思う。僕たちは落ち着いて、アプリの機能とコミュニティーを整えることに一生懸命フォーカスした」(ポール氏)

日本語ローカライズと収益化について

 Clubhouseでは、今夏初めに約30万のルームが開かれていたが、8月末時点では約70万に増加。1ユーザーのClubhouse平均利用時間は、全世界では70分/日だが、日本では113分/日になるという。ポール氏は日本を「Clubhouseにとって優先順位の高い重要な国の1つ」とした。

 現在、Clubhouseは英語しか対応していないが、これから年末までの間に、日本語を含めたいくつかの言語でローカライズのテストを行い、年末に正式発表する予定だ。日本語ローカライズが行われると、アプリのUI(ユーザーインタフェース)、ガイドライン、カスタマーサービス、通知など、全てが日本語になり、「英語が分からなくてもClubhouseが使えるようになる」(アーティ氏)という。

 また、もう1つの取り組み、クリエイターの収益化については、ルームやクラブのサブスクリプション登録、ルームに入るときの支払い、米国では提供中の「投げ銭(Tipping:ティッピング)」という3つの方法を検討中だ。クリエイターとスポンサードする企業などとのマッチングも少しずつ進めているという。

 海外では、既に収益化に成功しているクリエイターも現れている。「金融関係の企業で働いていた人が収益化に成功して、仕事を辞めた例がある。また、音楽を流すルームで多い人では10万ドルというお金を集め、チャリティで寄付した人もいる。現在、Clubhouseのアイコンになっているビエラ・マーというコメディアンは、企業とのスポンサー契約や投げ銭で生活できるようになった。20分くらいルームを開けただけで何百ドルと稼いでいるミュージシャンもいる」(ポール氏)

Clubhouse Clubhouseアプリのアイコンになっているビエラ・マーさん

 ゲストスピーカーの尾原氏は「日本でもサブスクリプションの月額型で生きているクリエイターは多い」とし、安定した基盤になると期待を寄せた。一方で、「Clubhouseからクリエイターが生まれることも大事なので、その意味では投げ銭がいい」とも語った。

機能強化も継続

 Clubhouseでは空間オーディオの機能を入れるなど高音質化に投資しており、音楽はClubhouseの人気カテゴリーになっているという。ローハン氏は「互いに知らないギタリスト、ピアニスト、歌手が国境を越えてルームに集まり音楽を作っていて、本当に素晴らしいと思う」と語った。

 ポール氏は「音声アプリ、音声SNSは長期的に継続すると信じている。人間らしいつながり、ふれ合いを、声を通してやってほしい」と語り、今後も機能、サービスを充実させていく姿勢を示した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月11日 更新
  1. ダイソーで1100円のノイキャンイヤフォン「TWS009」を試す 騒音カットの効果は実感も電池持ちに課題か (2026年10月09日)
  2. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
  3. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  4. 10月1日から楽天モバイルの「au 4G LTEエリアローミング」が縮小も意外と残っている件 (2026年10月10日)
  5. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  6. 「iPhone 18 Pro Max」を試して分かった進化と課題 想像以上に“使えた”可変絞り搭載カメラ (2026年10月09日)
  7. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  8. ドコモが「Google Pixel 10a(256GB)」を11万6930円に値上げ 2年7万円台に (2026年10月09日)
  9. 「iPhone Duo」は閉じても開いても迷わず使える Appleが提示するUIの設計思想 (2026年10月10日)
  10. 楽天グループ、1億件超の会員情報流出説を否定 「情報漏えいが発生したという事実は確認されておりません」 (2026年10月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー