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» 2021年10月10日 06時00分 公開

200g台だけど“軽くなった”「Unihertz Titan Pocket」のQWERTYキーボードをじっくり試す(1/2 ページ)

中国Unihertzが、小型でハードウェアキーボードを搭載したAndroidスマホ「Titan Pocket」を発売した。8月末にクラウドファンディングサイトの出資者向けに出荷し、10月にAmazonで一般販売を予定している。実際の使い心地はどうだろうか。

[長浜和也,ITmedia]

 中国Unihertzが開発した「Unihertz Titan Pocket」(以下、Titan Pocket)は、ストレートボディーにハードウェアQWERTYキーボードを搭載したAndroidスマートフォンだ。Kickstarterのクラウドファンディングサイトで2021年4月からプロジェクトを公開し、いずれも目標額を超える支援者が集まり、8月31日から製品の出荷が始まった。10月からはUnihertzのオンラインショップからも価格299.99ドル(約3万3300円)で出荷が始まる予定だ。

【訂正:2021年10月12日23時00分 初出時、CAMPFIREでクラウドファンディングを実施していた旨の記載がありましたが、誤りでした。おわびして訂正いたします。】

 筆者も5月にKickstarterから応募し、9月2日に製品を受け取った。ここでは、約3週間にわたってTitan Pocketを使用したレポートとして、ハードウェアキーボードと日本語入力の使い勝手を中心に評価した。

Titan Pocket Unihertz Titan Pocket

ひと回り小さくなった“Pocket”のスペックと処理能力をチェック

 Unihertzからは、2019年にストレートタイプのハードウェアQWERTYキーボード搭載スマートフォンとして「Unihertz Titan」が登場している。筆者的には「ベストオブスマートフォンフォームファクタ」と長年にわたって愛してやまないストレートタイプのハードウェアQWERTYキーボードスマートフォンだが、スマートフォンユーザー全体からすれば“ごくごく”限られた世界であり、たぶんもしかしてきっと、今回Titan Pocketに関心を持ったユーザーの大部分は「あのバカでかくてクソ重い(でも大好き……)なTitanと比べて使いやすいのかどうか、特にキーボード」と思っているはずだ。

Titan Pocket 片手に十分収まる“常識的なサイズ”
Titan Pocket 評価機を実測したところ219gだった
Titan PocketTitan Pocket 正面から見て右側面にはボリュームキーとSIMスロットを備える(画像=左)。左側面には電源ボタンと赤いプログラマブルボタンがある(画像=右)

Titan PocketTitan Pocket 上面には赤外線リモコンインタフェースとヘッドフォンとマイクのコンボジャックを設けている(画像=左)。下面には充電用のUSB Type-Cを搭載する(画像=右)

Titan Pocket SIMスロットにはnanoSIMを2枚セットできる。1つはnanoSIMの代わりにmicroSDを差せる

 確かにTitan Pocketは小さい。そして、軽い。Titanよりは。本体サイズは73.2(幅)×132.5(高さ)×16.8(奥行き)mmで、重さは216gというのが公式スペックだ。筆者に届いた機材(以下評価用機材とする)の重さを実測したところ、219gだった。普通の感覚ならこちらを選ぶだろう「iPhone 13」の本体サイズが71.5(幅)×146.7(高さ)×7.65(奥行き)mm、重さが175gと比べたら、正面から眺める分には「えっ、意外に小さい!」と驚くが、ちょっとでも横から見るか、実際に本体を持ったとたんに「あっ、やっぱり分厚くて重い!」となる。

Titan Pocket Titanと並べてみる
Titan Pocket 幅にして19.3mm、高さにして21.1mm、重さにして87gコンパクトになった

 しかし、Unihertz Titanに慣れていたユーザーからすれば「なにー! Unihertz Titanのくせに小さくて軽い!(相変わらず分厚いけれど)」と喜ぶはずだ。実際、筆者もそうだった。なんといっても寝ころんだまま片手で持っていても腕が疲れないのは全くもってありがたい。

 Titanでは無理だったスーツの胸ポケットにもTian Pocketを入れることができるようになった。ただ、重さはともかく本体の厚さがTitanと同じ(厳密には0.15mmほどTitan Pocketの方が厚い)なので、スーツの型が崩れるほどではないにしても、ちょっとだけ“もっこり”してしまうのはやむを得ないところだ。なお、サイズ的にシャツの胸ポケットに入れることも可能だったが、こちらは、さすがに重さのせいでシャツの形が崩れてしまうので、おすすめはできない。

 Unihertzが公開しているTitan Pocketのスペックは次の通りだ。

  • CPU……Octa Core(動作クロック2GHz)
  • システムメモリ……6GB(DDR4-1600MHz)
  • ストレージ……128GB
  • ディスプレイ(解像度)……3.1型(716×720ピクセル)
  • 無線LAN……802.11a/b/g/n/ac
  • Bluetooth……4.1
  • カメラ……アウト1600万画素、イン800万画素
  • NFC……対応(ただしFeliCaには対応せず)
  • LTE Band……B1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、18、19、20、25、26、28A、B28B、34、38、39、40、41、66
  • OS……Android 11
  • バッテリー容量……4000mAh(4V)
  • USB……Type-C
  • SIM……デュアルnanoSIMスロット(1基はmicroSDスロット兼用)
  • 本体サイズ……73.2(幅)×132.5(高さ)×16.8(厚さ)mm
  • 重量……216g
Titan Pocket 背面には1600万画素のカメラとフォトライトを備える
Titan Pocket 正面には800万画素のカメラと距離センサーがある

 CPUに関する情報が「オクタコアで動作クロックが2GHz」とだけ公開されているが、CPU-Zで調べてみるとCPUとして搭載しているのは「MediaTek Helio P70」だと分かった。このCPUは2018年の10月に台湾MediaTekがミドルレンジデバイス向けに開発した12nmプロセスルール採用モデルだ。

 物理コアは8基だが、big.LITTLEに対応したアーキテクチャで4基は処理能力を優先したCorte-A73で後の4基は省電力を優先するCortex-A53を組み合わせている。なお、GPUは2017年に英Armが投入した「Mali-G72 MP3」を採用する。

 Cortex-A73にしてもCortex-A53にしてもMali-G72 MP3にしても、Titanが採用していた「MediaTek Helio P60」と構成は同じだ。ただ、最大動作クロックがわずかに速くなっているので、MediaTekによればグラフィックス処理性能が「P60」と比べて13%向上したという。いずれにしても2021年の今となっては登場から3年がたっている。

 搭載するCPUがミドルレンジモデルということで、Titan Pocketも処理能力は控えめ、というのが大方の意見だ。ゲームにおけるグラフィック処理速度を訴求する最新のゲーミングスマートフォンとは存在意義が異なるモデルでもあるが、念のため処理能力を測定するためベンチマークテストを実施してみた。

Titan PocketTitan Pocket 「CPU-Z」で確認した搭載プロセッサのスペック(画像=左)と、「AnTuTu Benchmark V9.1.6」による測定スコア(画像=右)。Helio P70は2018年に登場したミドルレンジモデル

Titan PocketTitan Pocket 「PCMark for Android WORK 3.0」による測定スコア(画像=左)と、「PCMark for Android WORK 3.0」の詳細スコア(画像=右)

 Titan Pocketのバッテリー容量は4000mAh(駆動電圧4V)で、6700mAhだったTitanと比べると少ないが、それでも現役スマートフォンの3000〜4000mAhと比べて遜色ない。

 実際に利用した肌感覚としては、朝にフル充電でバッテリー駆動に移行した後は常に手元にあってストリーミングメディアの閲覧(BGMとして音楽を流し続ける他に昼休みと夕方休憩時に動画のストリーミングを視聴)、SNSの参照と投稿、メモ代わりとして日々数枚程度の撮影(たまに十数秒程度の動画を数カット)といった使い方をして夜寝る前にバッテリー残量を見ると40%前半(ハードに使ったなー、と思った日)から50%後半(それほど使わなかったなー、と思った日)であったので、丸々1日は充電せずに十分使えると考えていいだろう。

 さて、目玉の“小ぶり”なキーボードを見てみよう。

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