200g台だけど“軽くなった”「Unihertz Titan Pocket」のQWERTYキーボードをじっくり試す(2/2 ページ)

» 2021年10月10日 06時00分 公開
[長浜和也ITmedia]
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“小ぶり”なキーボードは問題なく使えるのか

 Titanでもそうだったが、Titan Pocketも「ハードウェアQWERTYキーボードを搭載したハンディデバイス」であることが最大の特徴だ。QWERTYキーボードを操作するとき、そのスタイルは「両手でデバイスを持ち、両手の親指でキーをタイプする」が基本になる。Titanに「大きい! 重い!」といいながら使っていたのも、使えるハードウェアQWERTYキーボードを載せていたからだ。

 一方、Titan Pocketは幅がTitanの90mmから73.2mmと、ごく普通のスマートフォン並みにコンパクトになった。それこそ、片手でも十分に持てるサイズだ。しかし、ハードウェアQWERTYキーボードを載せたデバイスにとって本体のコンパクト化は、時として使い勝手を犠牲にして成り立つことも多い。

 キーボードレイアウトは最上段を除いてTitanとTitan Pocketで29個のキーを3段10列、と共通にしている(スペースキーが入る最下段だけ9列)。ただし、細かいところで相違がある。

 Titanは、緩やかな「V字」配置だったがTitan Pocketは横方向が直線で並んでいる。キートップサイズもTitanは外側6.5mmから中央部8mmと異なっていたのに対して、Titan Pocketは7.5mmで全てのキーがそろっている。なお、キーボードユニットの幅は最上段が63.3mm、最下段で60.5mm、加えて最下段両脇のキートップ形状は下半分が内側にカットされた五角形と、わずかながら狭まっている。

Titan Pocket Titan PocketのハードウェアQWERTYキーボード。最上段に「sym」「fn」キーが追加された

 キーピッチは最上段以外で縦に8.5mm、横に6mm(最下段)〜7.5(第2段)を確保している。Titanの横方向キーピッチ8mmと比べて狭く、かつ、アイソレーションレイアウトではないので隣接するキーと隙間なく並べられている。

 しかし、キートップ面に傾斜を設けたり(Titanと比べて傾斜角は大きくなっている)キートップサイドにカットを入れたりと工夫している。例えば、カットを入れる位置も「T」「G」「V」キーから左側に配置したキーは右サイド、「Y」「H」「B」キーから右側に配置したキーでは左サイドにと親指タイプを考慮した形状になっている。このおかげで、両手の親指を使うタイピングも快適にこなせる。

 幅が90mmを超えるTitanでは本体を片手で持つと、持ち手の反対側の端にあるキーをタイプできなかったが、Titan Pocketなら親指の“行動圏内”に収まる。

 Titanと同様、スマートフォン操作の基本となる「ホームボタン」「戻る」「タスクリスト」はキーボード最上段に設けてある。ただ、Titan Pocketでは最上段に「sym」キーと「fn」キーを追加した他、「戻る」「タスクリスト」の配置をTitanと逆にしている(ただし、これで一般的なAndroidスマートフォンと同じ配置になった)。

Titan Pocket キーピッチが狭くなったが親指タイプなら特に問題ない
Titan Pocket キートップにはタイプしやすいように角度を設けてサイドをカットした形状にしている。スペースキーは他のキーと逆向きの角度にしている

 また、altキーとの組み合わせで入力できる記号や数字の配置はTitanから大きく変更された。その変更のほとんどは、「配置する段は同じだが列は左右が逆に」というもので、例えば、数字は右側からそのまま左側に移動、「/」「−」「_」「(」「)」「@」「’」「”」「+」「*」「#」「?」「、」「。」も段はそのままだが場所は「左右で“線対象”」となる場所に変更している(「@」と「!」はTitanと同じ位置)。

 この変更、特に長音と句点、句読点の変更にTitanから移行するユーザーは最初戸惑うかもしれない。ただ、記号キーに関しては線対称での変更であるので(筆者個人としては)指が慣れるのに思ったより時間はかからなかった。

 Titan Pocketでは「PTT」キー(本体左側面にある赤いボタン。マニュアルでは「インターコムキー」「プログラマブルキー」と記載している)と新たに追加された「sym」(symbolキーと呼ぶことが多い)、「fn」(functionキーと思いきやマニュアルでは“魔法キー”と表記している)の3カ所を「スマートボタン」と呼んでおり、それぞれに「Symbolキー」「魔法キー」「Ctrlキー」「TAB キー」「割り当てなし」を指定できる。

Titan Pocket 本体脇の“赤い”PTTキー、キーボード最上段の「sym」キー、「fn」キーはショートカットセッティングで機能をカスタマイズできる
Titan Pocket それぞれのボタンにプログラマブルキー、ショートカットを割り当てられる。ショートカットは長押し、短押し、ダブルクリックと組み合わせることが可能
Titan Pocket プログラマブルキーは、それぞれのボタンを「Ctrl」「Symbol」「魔法」(=fn)「TAB」に割り当てられる

 ここで「割り当てなし」を指定した場合、「長押し」「短押し」「ダブルクリック」ごとに機能(ショートカット)、もしくは、アプリの起動を割り当てることができる。PTTキーでは「インターコムボタン」機能が利用できる。これは「ボタンを押す」「ボタンを戻す」のそれぞれにアクションを割り当てることができ、初期状態では「ブロードキャスト(押す)「ブロードキャスト(リフト)」が設定されていてトランシーバーのような使い方ができる(ただし、インターコムボタンとして有効にするとプログラマブルキーもショートカットキーも使えない)。

 Titanと同様、Titan Pocketでも日本語の文章入力で多用する長音符、句点、句読点はAltキーを必要とする。また、日本語で使用機会が多い“カギかっこ”はAltキー併用でも用意されていない。Titanと同様、丸かっこをタイプして変換するか、「かっこ」とタイプして変換するかの工夫が必要になる。

 同じく、ハードウェアではカーソルキーに相当する機能を用意しておらず、カーソルの移動はソフトウェアキーボードを使うようになるが、こちらが依然として、かな漢字変換中にカーソル機能を呼び出すと、それまで入力していた日本語入力が“確定”してしまい、文節の区切りを指定できない。

 日本語変換における変換対象の文節指定については、Google Playで入手できる「AquaMozc for Titan」(個人「Aquamarine Networks」制作の有料日本語IMEアプリ)の導入で可能になる。AquaMozc for Titanでは、sym keyで「-」を入力できる他、日本語変換中にCtrlキーと「j」「b」「n」「m」の組み合わせでカーソルの移動(変換対象の文節範囲指定)など、日本語入力においてPC用IMEに近い作業環境を再現してくれる。いずれのアプリでも、事前にショートカットキーとして割り当てておく。Aquamarine Networksではsym keyにCtrlキーを、fn keyにSymbolキーを割り当てるようにマニュアルで説明している。

 なお、2021年9月時点において(公式からのアナウンスはないが)多くのユーザーからTitan Pocketの無線LANが短時間で接続が切れてしまう症状が報告されている。Unihertzでは9月22日に出荷後初めてとなるワイヤレスアップデートを提供しているが、そこでは無線LAN接続に関する改善には言及していない(そもそも、無線LANに関する不具合について公式に言及していない)。

 ただ、評価者の主観的印象として9月22日のワイヤレスアップデートを適用した後、無線LANの切断が以前ほど起きなくなったように思える(数十分に1回切断していたのが数時間に1回)。

両手親指でのタイピングなら快適

 本体サイズがコンパクトになってキーピッチも狭くなったTitan Pocketだが、キータイプは、両手親指タイピングをする限り快適だ。

 キーの感触もクリック感が明確、かつ、軽い。和文であっても長い文章の入力は可能だ(このレビューもTitan Pocketを使っている)。片手で本体を持って横になって使う姿勢でもTitanのように「うう、もう、持っていられない……」となることもない。ただし、その代償として、TitanのようなIP67準拠の防塵(じん)・防水性能は有していない。

 文字入力を重視するユーザーで、過酷な防塵/防水性能を必要としていないなら、Titan Pocketは日常遣いの使い勝手を大きく向上してくれるだろう。

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