Opensignalが4キャリアの通信品質を調査 5Gはドコモ、ゲームやビデオはソフトバンクが優秀(2/2 ページ)

» 2021年10月19日 06時00分 公開
[房野麻子ITmedia]
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総合的なダウンロードスピード体感はドコモが優勢

 ユーザーが5Gに接続しているときの平均「5Gダウンロードスピード体験」は、1位が楽天モバイルで224.3Mbps。ただ、それ以外のキャリアも100Mbps以上で、4Gの平均ダウンロードスピードと比べても大幅に速くなっている。

Opensignal調査 5Gダウンロードスピードでは、各社とも100Mbps以上をマーク

 楽天モバイルの数値が高いが、これも信頼区間が広いためだ。全てのユーザーの平均ダウンロードスピードではドコモが52.4Mbpsと最も速い。また、5Gユーザーが5Gだけでなく4Gに接続している場合も含めたダウンロードスピードを調べると、ドコモ、au、ソフトバンクの3社が楽天モバイルを上回る。

 楽天モバイルの5Gユーザーは、5Gに接続しているときの通信速度は確かに速いものの、接続できている時間の割合が少ない。4Gのスピードも影響し、トータルでは楽天モバイルより他社のダウンロードスピードが上回るということを示している。

Opensignal調査 上段左は5Gダウンロードスピード、上段右は全てのユーザーのダウンロードスピード。下段は5Gユーザーの5G以外も含めた全体的なダウンロードスピードで、ドコモが1位

 ただし、ドコモの5Gネットワークについては、パケット通信速度が極端に下がる「パケ止まり」がユーザーから指摘されている。「調査に反映されているか」という記者からの質問に対し、フォッグ氏は「そのような状態が、ドコモのゲーム、ビデオ、ダウンロードスピードの体験に影響しているといえる」と述べた。パケ止まりの状況が十分に反映された調査結果だという認識だ。

 なお、5Gのアップロードスピードに関しては、楽天モバイルが32.0Mbpsで1位、ソフトバンクが23.7Mbpsで2位となっている。

Opensignal調査 5Gアップロードスピードでは4Gに続き楽天モバイルが1位

日本は5Gの初期段階

 5Gのユーザー体験の成績をまとめると以下の表になり、ドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルが1位を獲得している。

Opensignal調査 5Gのユーザー体験の総評

 ただ、フォッグ氏は「日本はまだ5Gの初期段階にある。日本のキャリアは5Gに多くの投資をしており、5Gはさらに拡大していく。それは5G利用率の拡大、5Gの普及につながる」と語り、ユーザー体感の向上を見通している。

 今回の調査では楽天モバイルのスコアが高く出ているが、フォッグ氏はあくまで「ユーザー体験を重視している」と強調。また、楽天モバイルはゲーム体験や5G利用率、5G到達率のスコアは低いと指摘し、これは楽天が持っている周波数帯も関係しているとする。その上で「今後の状況は変わると確実にいえる。だからこそOpensignalは6カ月ごとにレポートを出している」(フォッグ氏)と述べた。

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