2011年冬春モデルでは、それまでのPRIME、STYLE、SMART、PROといったシリーズを一新。スマートフォンはハイスペックで最新機能を搭載した「NEXT」、初めてでも安心して使える日本仕様の「with」という2シリーズ、フィーチャーフォンはSTYLEシリーズに一本化し、これに「ドコモ タブレット」を加え、大きく4つのシリーズで展開することになった。
発表された25機種中、スマートフォンは15機種を占めて端末ラインアップの主力に。LTE規格のデータ通信サービス「Xi(クロッシィ)」に対応したスマートフォンもNEXTシリーズで登場した。富士通(現FCNT)は、ARROWSシリーズの展開をこの時期に始めている。
初めてスマートフォンを使う人たちを意識したモデルとして、テンキー付きAndroidスマホも存在した。Androidスマートフォン登場後しばらくは、従来のフィーチャーフォンの入力操作とは大きく異なる使い勝手に違和感を覚えるユーザーも多かったことから、各キャリアともしっかり押せるテンキー付きのスマホを出した。
ドコモからは、ディスプレイ側のボディーをスライドするとテンキーが出現する「AQUOS PHONE slider SH-02D」が登場した。ただ、タッチ操作とキー操作が融合しきれず、動作にも不安定な部分があったこと、スマホの性能が上がってタッチパネルの操作がスムーズになっていったことなどから、テンキー付きスマートフォンは短命に終わった。
今回、ドコモのスマートフォンを振り返ってみると、初期の頃から異業界とのコラボレーションモデルが多いという印象を持った。ファッションブランドや雑誌、マンガなどとコラボレートした端末が出ている。
「ジョジョの奇妙な冒険」とコラボレートした「L-06D JOJO」(2012年)。アスペクト比4:3の5型ディスプレイを備えたLGエレクトロニクス製「Optimus Vu L-06D」がベースで、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線、防水、NOTTVを備えるなど、国内メーカー端末とそん色ないスペックを備えていた。連載30周年を記念したコラボモデル「JOJO L-02K」(2018年)もあった2012年にはシニア向けの「らくらくホン」シリーズで、初めてスマートフォンが登場した。「らくらくスマートフォン F-12D」は、押した感覚が得られる「らくらくタッチパネル」、よく使う機能を大きく表示するメニューを採用していた。Google Playは利用できなかった。
キッズケータイを提供していたHuaweiが、ドコモ向けに納入した初のスマートフォンは「with」シリーズ「Ascend HW-01E」(2012年)。おサイフケータイやワンセグ、NOTTVにも対応していた。
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