「iPad mini(第6世代)」はiPhone 13シリーズと同時に発表、発売された、2年半ぶりの8.3型iPadの最新モデルだ。今回はデザインや機能をフルモデルチェンジした。
具体的には、iPhone 13シリーズと同じ最新ハイエンドチップの「A15 Bionic」やUSB Type-C端子、ステレオスピーカーを搭載。なおかつWi-Fiモデルは5万9800円(Apple Store/税込み、以下同)からと性能の割に価格も抑えられている。Wi-Fi+Cellularモデル(7万7800円から)は5Gも利用可能だ。これらの強化により、気軽に持ち歩けて最新iPhone以上の快適さで動画やアプリを楽しめる非常に魅力的なモデルとなった。
実際、その人気と半導体不足が重なったことで、発売から2カ月と少したった12月になっても品薄が続く人気モデルとなっている。筆者も私用のため自腹で購入したので、特徴や機能について紹介していこう。なお、発売後に話題となっている俗称“ゼリースクロール”問題は別記事にて紹介する。
筆者がiPad miniを長年使い続ける理由に、画面の面積がiPhoneと比べて約2倍の大きさで、軽量(Wi-Fiで293g/Wi-Fi+Cellularで297g)で手軽に持ち運べる点がある。大型のiPadと比べると小さいが、旅行やちょっとした外出へ持ち出して、現地の情報チェックや地図やカーナビアプリの利用に便利なのだ。
また、iPhoneとiPad miniの2台があれば、iPhoneでSNSアプリなどを操作しつつ、iPad miniで動画視聴など複数のアプリを表示できる。特にiPhoneは複数のアプリの同時表示の機能が弱いだけに、iPad miniを足すだけで利用の幅がかなり広がることは間違いない。
今なら動画視聴に使いたい人も多いだろう。後ほど比較するが、今回のモデルは内蔵ステレオスピーカーの品質が向上し、手ごろな動画端末として使いやすくなった。
もちろん、電子書籍、地図、PC向けサイト、オフィス文書の閲覧や編集にも便利。別売りの「Apple Pencil(第2世代)」があれば、文書にメモを書き入れる、簡単なイラスト制作といった用途にも使える。iPadOS 15からは手書き文字入力「スクリブル」に日本語も対応。手書きでもテキスト入力欄への入力が可能になった。
オススメはやや高額だが、GPSを利用できるWi-Fi+Cellularモデルだ。外出先でマップやナビを使う場合は、GPSの有無が使い勝手を大きく左右する。ちなみに筆者は、iPad mini(第2世代)のWi-Fi+Cellularモデルを旅行時の情報検索やナビ用途で、OS更新が切れてからも計8年も使い続けてきた。iPad mini(第6世代)にも、これぐらい長期間使えることを期待したい。
後ほど詳しく述べるが、今回のiPad mini(第6世代)は処理性能の面でもiPhone 13シリーズと同クラスなので、動画や電子書籍だけでなく高画質ゲームのプレイ用途でも満足できるモデルとなっている。
iPad mini(第6世代)の特徴をまとめると、「iPad Air」の小型版ながらも最新チップを搭載した長く使える8型の小型タブレットだ。同時発売のiPhone 13シリーズと同クラスの性能に加えて、指紋認証センサーやUSB Type-Cを搭載。人によってはiPad mini(第6世代)が「本当に欲しかったiPhone 13」にも見えるはずだ。スペック上の明確な欠点はアウトカメラの感度が低い点だが、近年のiPhoneやスマートフォンを併用している人なら問題にならないだろう。
現在iPhone 12シリーズや「iPhone 11」シリーズ、「iPhone XS」あたりを使っていて特に不満がない場合、何となくiPhone 13シリーズに買い換えるよりは今回iPad mini(第6世代)を買い足して、自宅や外出先で動画や電子書籍をより大画面で楽しめる環境を整えてみてはいかがだろうか。ゲーム用に高速処理のCPU・GPUを求める人も、iPhone 13シリーズと同クラスのiPad mini(第6世代)ならまず不満はないだろう。
また、古いiPhoneやスマートフォンを店舗によっては安価に購入できるiPhone SE(第2世代)やiPhone 12 miniに買い替え、浮いた予算でiPad mini(第6世代)を買うのも賢い選択肢といえる。
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