ここからはiPad mini(第6世代)を実際に触れて気になった点についてもう少し深く紹介していこう。
画面サイズは8.3型(2266×1488ピクセル)と大型になり、縦横の画面比率が従来の約4:3から約3:2になった。これにより、横向きで16:9の動画をより広く面積で表示できる。輝度は500ニトでTrueTone対応により、色の見え方も自然。P3高色域ディスプレイで、Dolby VisionやHDRの再生にも対応する。
ステレオスピーカーは上面と底面に搭載。従来のiPad miniの底面側のみのステレオスピーカーと比べて音の立体感は大幅に増している。iPhone 13 Proの方が音の大きさや高音や低音の響きはやや良好なのだが、全体的な音のまとまりとしてはiPad mini(第6世代)の方が聴きやすいと感じられた。本体サイズの大きさも影響しているのだろう。動画や音楽を垂れ流す用途では特に不満のない品質に達している。
電子コミックは1ページずつ表示するのがオススメだが、画面を顔に近づければ見開き2ページも見やすい。見開きでも1ページをiPhone 13 Proより大きく表示できる。
一方で気になったのは、縦向きでのブラウザや写真サムネイルの縦スクロール中に、画面内の水平に並んだ文字や画像がやや斜めにゆがんだように見える点だ。これは一部で“ゼリースクロール”とも呼ばれている。逆に従来のiPad(120Hz表示のiPad Proは除く)の、横向きで縦スクロールすると同様に斜めにゆがんで見える現象はない。この現象はどの60Hz液晶パネルでも若干見られるが、今回目立った原因は従来のiPadと設計上の液晶パネルの縦横の向きが異なるのに加えて、画面サイズや表示内容、人の視覚それぞれの悪条件が加わったものと思われる。
とはいえ、縦向きの縦スクロール時に表示内容が水平に並んだ文字や画像のゆがみが気になるのは仕方がない。気になる場合は、縦向きでの縦スクロールは最小限にする、または横向きでの操作をメインにするといいだろう。詳しくは別記事で紹介する。
スペックだが、チップはiPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」でメインメモリは4GBだ。一般的なスマートフォンやタブレットの中でも、トップクラスのCPUとGPU処理性能を持つ。これを明確に超えるスマート機器は「M1」搭載のiPad Proぐらいしかない。
高画質ゲームのプレイだが、スマートフォンでは最高クラスの処理性能を要求するmiHoYoの「原神」も高画質設定で快適に動作した。バトルロイヤル系ゲームや音楽ゲームは、画面が適度に大きいiPad mini(第6世代)の方が遊びやすいと感じる人は多いだろう。処理性能が高いだけに、ディスプレイのリフレッシュレートが60Hz止まりなのは残念なところだ。
実際のベンチマーク結果についても見ていこう。並べたiPhone 13 Pro 256GBはGPUコアが通常の4コアから5コアに増やされている他、メインメモリ6GBと若干仕様が異なる。
ベンチマーク結果は若干iPhone 13 Proの方が上のスコアが出たが、よく見るとCPUやGPUのテストでそこまで差がない項目もある。iPad mini(第6世代)は本体が大型な分、放熱性能で有利な点も理由の1つといえるだろう。
Antutuの詳細を見るとメインメモリやストレージへのアクセス速度に差があるようだ。だが、ストレージは容量が大きいほど高速になる傾向がある。今回テストに利用したモデルはiPad miniが64GB、iPhone 13 Pro 256GBなので、iPhone 13 Proの方がスコアを伸ばした可能性はある。
ネットワーク周りは、ドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの5G/4Gネットワークに対応。楽天モバイルも4G限定だが利用できた。時々外出先で使うだけなら、維持費の安いauの「povo2.0」や楽天モバイルで使うといいだろう。
また、スマートフォンでドコモの「5Gギガホ プレミア」などキャリアの大容量のプランを契約中なら、タブレットなどデータ通信機器向けの「5Gデータプラス」を追加契約すると月額1100円で通信量をシェアできる。ドコモの場合5Gギガホなら30GB利用可能だ。同様のプランはauだと「タブレットプランライト 5G」、ソフトバンクは「データシェアプラス」があるので、大手キャリアのスマホ契約を利用中の人はこれらのプランを確認しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.