特に通信制限を設けていなかった初代WiMAXですが、ユーザーが増えてくるにつれて混雑時間帯(夜間)の通信速度が落ち込む問題が発生するようになりました。
2013年10月末に登場した後継サービス「WiMAX 2+」では、WiMAXでのみ通信する「ノーリミットモード」、WiMAX 2+を優先しつつ、WiMAXでも通信を行う「ハイスピードモード」(※1)、そしてWiMAX 2+とau 4G LTEも利用する「ハイスピードプラスエリアモード」の3つに通信モードを細分化した上で、混雑時間帯の通信速度低下への対策として以下のような制限を設けることになりました。
(※1)WiMAX非対応機種はWiMAX 2+だけを使って通信
ただし、WiMAXからの「激変緩和」も兼ねて、WiMAX 2+のサービス開始当初は、以下の通りハイスピードモードにおける制限を一部免除していました。
2015年2月、UQはWiMAX 2+の新料金プラン「UQ Flat ツープラス ギガ放題」を導入しました。このプランは当初のプラン(UQ Flat ツープラス)と比べると月額料金が少しアップするものの、ハイスピードモードにおける月間容量制限がありません。
プラン変更をすれば、3年目以降もハイスピードモードにおける月間容量制限とは無縁でいられます。間もなく3年目を迎えようとしている初期WiMAX 2+ユーザーの「離脱」を回避するための一手でもありました。
このプランの発表と同時に、UQは2015年4月から導入する「当日を除く直近3日間で1GB以上通信」した場合の通信制限について、容量のしきい値を「1GB」から「3GB」に緩和することも発表しました。この緩和は当初のプランにも適用されることになります。
直近3日間の通信容量に応じた通信速度制限について、UQは制限時の速度を「YouTubeの標準画質が閲覧できる程度」と説明していましたが、実際は上下最大1Mbps程度に設定されました。当時の筆者の連載記事でも触れた通り、この制限自体はハイスピードプラスエリアモードにおける制限よりも緩いものです。
しかし、新プランの広告表現には問題があり、ユーザーが直近3日間の通信容量による速度制限の存在を認識せずに契約してしまう事案も発生しました。UQに対して民事訴訟を提起するユーザーも現われるなど、この問題は“大ごと”になりました。
事態を重く見たUQは同年7月、広告表現を改めることと、直近3日間の通信容量制限の運用方法を見直す旨を発表しました。合わせて、見直しまでの暫定措置として容量制限に抵触した場合の最高通信速度を「1Mbps程度」から「6Mbps程度」に緩和しています。
直近3日間の通信容量による速度制限の運用方法を見直すことを表明してから約1年4カ月経過した2016年12月、UQはその内容を公表し、2017年2月2日から適用することを発表しました。
見直した内容は以下の通りです。
容量のしきい値と制限の適用時間は緩和された一方で、制限時の通信速度は元通りとされました。2022年2月現在も、WiMAX 2+では引き続きこのポリシーが適用されています。
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