3G停波で注目の「スマホ教室」 自治体連携を進めるソフトバンクが抱く課題とは(2/2 ページ)

» 2022年03月30日 14時30分 公開
[石井徹ITmedia]
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自治体主導のスマホ教室の課題

 ソフトバンクでスマホ教室などを統括する、萬壽(ばんじゅ)克一氏は「スマホ教室の必要性はますます高まっている」と強調する。政府は“デジタル田園都市構想”を掲げ、行政機能のDXを推進しているが、70代以上のシニア層においてスマホ普及率は35%程度にとどまっている現状がある。

 近年では、政府が「誰一人取り残さない」デジタル化という方針を掲げていることもあり、行政側からもスマホの使い方を普及・啓発する動きが広まっている。総務省はキャリアショップなどのスマホ教室開催を支援する枠組みとして「デジタル活用支援講座」を推進している他、自治体主導でスマホ教室を開催する例も相次いでいる。

 ソフトバンクはこうした行政主導のスマホ教室にも講師を派遣しており、企業や自治体と連携したスマホセミナーとして、2021年4月〜12年の9カ月で約4500件を実施している。ソフトバンクがキャリアショップで実施しているスマホ教室の開催数はこの10倍程度の規模があるという。

スマホ教室 ソフトバンクはスマホアドバイザーという認定制度を用意、サポートに強いスタッフを育成してい

 自治体が公民館などで開催するスマホ教室は、割合としては多くはないが、「キャリアショップで開催するスマホ教室よりもハードルが低いと感じる人が多い」(萬壽氏)ことから、支援する必要がある人が参加しやすいという。ソフトバンクではキャリアショップでのスマホ教室とあわせて、自治体との連携も強化していく方針だ。

 ソフトバンクのスマホ教室の講座の内容は、ユーザーからの問い合わせが多いものを中心に選定。災害時のスマホの活用法など、公共性の高い内容も含まれている。ソフトバンクショップでは予約制で実施しており、他キャリアのユーザーも参加できる。参加料金は原則として無料だ。

 直近ではLINEの使い方についてのニーズが高く、コロナ禍で広まったZoomなどのオンライン通話アプリの使い方を知りたいというユーザーも多い。ソフトバンクショップのスマホ教室でも、全体の10%程度はZoomでのオンライン開催に移行しているという。

 自治体主導のスマホ教室の課題として萬壽氏は「スマホを持っている人を前提とした講座が多い」点を指摘する。スマホが社会インフラ化する中で、端末代や料金プランについても注目度が増しているが、自治体主導のスマホ教室では「『料金や端末代金については言及しないでほしい』と言われることがある」という。

 「今は通信料も安くなっているし、型落ちの機種などでは割引で2万円程度のものもある」(同氏)ため、料金をことさら強調すると、営業につながると受け取られる恐れはあるが、スマホ移行の障壁を取り除く上では重要なポイントだ。

 萬壽氏は「自治体主導のスマホ教室は、スマホを利用していない65%を取り残さないために開催するべき」として、安価に手に入る端末が存在することや、料金プランの仕組みについても説明を取り入れるべきだと主張した。

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