開始から1年がたつahamoだが、ユーザー層はドコモの想定以上に拡大しているという。先に挙げたように、ahamoは30代以下の契約者が半数を占めるが、裏を返せば、残り半分は40代以上のユーザーだ。岡氏も、「私たちが思っていたより早く、次のステージに来ている」と語る。「普及曲線で言えば、アーリーマジョリティーの方が使っているが、一部、レイトマジョリティーの方も興味を持っている」という。
そのため、サービス開始直後の2021年4月には「ahamo WEBお申込みサポート」と「ahamo WEBお手続きサポート」を開始。どちらも料金は3300円かかるが、全国にあるドコモショップの店頭で申し込みや手続きのサポートを受けられる。この取り組みを、岡氏は「ものすごくたくさん使われているかというとそうではないが、一定の割合で継続して使われている。それなりのニーズがあり、そこに対しては応えられている」と評価する。
サービス開始当初は、「おすすめ端末」として「iPhone 11」や「Xperia 1 II」「Galaxy S20 5G」を用意していたが、これもユーザー層の実態に合わせて、徐々に変えているという。「若い人が多いので、価格コンシャスながらスペックも必要ということでそういう端末を用意したが、サービスを開始してみると(端末に対するニーズが)非常に多様だった」ためだ。そこで、3月11日にはエントリーモデルの「Galaxy A22 5G」を追加。iPhoneも最新モデルのiPhone 13に変更している。
【訂正:2022年4月23日23時45分 ahamoのおすすめ端末で、初出時に「iPhone 12」としていましたが、正しくは「iPhone 11」です。おわびして訂正いたします。】
また、「ふたを開けてみると、ドコモオンラインショップで端末を買われている方が非常に多い」ことも分かってきた。「オンラインショップの端末を全て見せると分かりづらくなるので、ahamoとしてオススメする端末を絞って見せていく」取り組みは続けていくが、サービス開始当初のように、パッケージのロゴやソフトウェアの一部をahamo用に変えることはやめていくという。実際、上記のGalaxy A22 5Gは、ドコモが販売しているものと仕様は共通している。
こうした軌道修正をしつつ1周年を迎えたahamoだが、ユーザー層が多様化すると、使われ方にも幅が出てくる。シンプルではあるが、20GB一択では全てのニーズをくみ取るのは難しくなるはずだ。ahamo大盛りを導入したのも、そんな実態を反映したものといえる。一方で、ユーザー数がさらに増えれば、先に挙げたように、ahamoでの低容量プランを求める声も大きくなっていく可能性がある。
ドコモショップで手続きできるとはいえ、エコノミーMVNOとドコモ自身のサービスであるahamoでは、通信品質やサポート体制など、さまざまな点が異なっているからだ。シンプルさを維持しつつ子会社のNTTコミュニケーションズが提供するOCN モバイル ONEとすみ分けを図る必要があるのは確かだが、5Gギガホ プレミアのようにデータ使用量が3GB以下だった場合にいくらかの割引を行う仕組みがあってもいいだろう。今後のサービス拡充にも期待したい。
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