今、中国でAndroidタブレットが過熱している理由 XiaomiとOPPO、そしてHuaweiも山根康宏の中国携帯最新事情(1/3 ページ)

» 2022年06月15日 10時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 2021年にXiaomiがコスパに優れた高性能なタブレット「Xiaomi Pad 5」をリリースして以来、他のメーカーもタブレット市場に続々と参入している。新型コロナウイルスの影響によりリモートワークが増えたことなどから、自宅での需要が増えていることも背景にあるだろう。ノートPCより価格が安く、スマートフォンより大きい画面が使えるタブレットは、スマートフォンの次に買い足される製品になっているのだ。

Xiaomiは中国国内で「Xiaomi Pad 5 Pro」を販売

 XiaomiのXiaomi Pad 5は日本を含むグローバル市場では1モデルだけの展開だが、中国国内では性能を高めた「Xiaomi Pad 5 Pro」も販売されている。Xiaomi Pad 5のカメラ部分はデュアルカメラのように見えるが、片側には「AI」の文字が書かれてふさがれている。これはProモデルとカメラ部分のボディーを共有しているからで、Xiaomi Pad 5 ProはWi-Fiモデルが1300万画素+500万画素のデュアルカメラ仕様となっている。さらに5G対応モデルもあり、そちらのカメラは5000万画素+500万画素。タブレットでも十分高画質な写真撮影が可能なのだ。

中国Androidタブレット Xiaomi Pad 5は中国のみならず各国で販売されている

 その他、Proモデルの違いとして、プロセッサがSnapdragon 860から870 5Gへアップグレードしており、バッテリーは8720mAhから8600mAhへやや容量ダウンしているが、急速充電は33Wから67Wへと強化されている。中国ではマグネットで装着する端子接続のキーボード付きのカバーも販売され、ノートPCのようなスタイルで使える。公式にはアナウンスはないものの、この中国販売のキーボードは日本などで販売されているXiaomi Pad 5でも利用できる。

中国Androidタブレット 中国ではProモデルも登場、複数のカラバリも人気だ

 XiaomiはRedmiブランドも含めてノートPCも展開しているが、PCほどの性能が不要なユーザーや、スマートフォンと共通のアプリを使いたい人などはタブレットに興味を持つようだ。他のメーカーもノートPCの展開を始めているところもあるが、やはりXiaomi Pad 5の成功にあやかろうと、次々とタブレットを投入している。

 現時点(2022年5月末)で最も新しい製品がrealmeの「realme Pad X」だ。価格は1299元(約2万5000円)。プロセッサこそSnapdragon 695と若干スペックを落とし、メモリとストレージの構成も4GB+64GBに抑えているが、この価格はタブレット入門者にとって魅力だろう。ディスプレイは11型2000×1200ピクセルで8340mAhバッテリーを搭載。本体カラーのグリーンは背面にチェッカーフラグのような模様も入れており、カジュアル感を高めている。スタイラスは499元(約9600円)、キーボードカバーは399元(約7700円)で別売だ。

中国Androidタブレット カジュアルなカラーモデルもあるrealme Pad X

 Redmi Pad XはXiaomiがRedmiシリーズとして出すべき製品だろう。しかしXiaomiはタブレットをビジネスツールとして展開しており、高い性能を売りにしている。もしもRedmiシリーズのタブレットが出てくるとすれば、価格を抑えつつキーボードは利用できないなど、簡易的な製品になるかもしれない。realmeはXiaomiの隙をついて格安タブレットを一気に売り込もうとしているのだ。realmeは2021年に「realme Pad」をリリースしたが、ペンやキーボードは非対応、ベゼルも厚いデザインだった。realme Pad Xはより洗練されたクリエイティブツールとして人気になるだろう。

中国Androidタブレット 低価格モデルでもキーボードが用意される
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月06日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  5. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  9. NHK ONE、簡単には「閉じられないメッセージ」表示へ 目的は“NHK受信料”の徴収 なぜ強引な仕様に? (2025年11月12日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー