Opensignalは、6月9日に世界の5G体感について調査の分析結果を発表した。
この分析によると、日本の5G信号強度は東アジア市場(香港、韓国、台湾)と比較して大幅に低いことが分かったという。5G信号の出力が低いほど5Gのダウンロード速度は低速化する。
日本では、信号が弱い、または、良くない速度の5Gの平均ダウンロード・スピードは、「良い、または、いっそう良い」信号速度より62.4%低速だった(韓国は52.3%、台湾では59.1%)。また、5Gの読み取り値について、信号が「弱い」か「良くない」状態になっていたのが50%以上だったのは日本のみ。これは他の市場 (香港8.5%、韓国3.9%、台湾9.7%)に比べるとかなり高い割合となっている。
上記4市場は全て4G信号強度は良いと評価されていて、香港、日本、台湾の平均4G信号強度の変動は-95.4〜93.4dBmの範囲となっている。これら3市場と韓国では、平均信号強度-89dBmの4Gサービスに接続しているOpensignalユーザー間で顕著な違いがあった。
同社はこの理由について、日本のオペレーターが5Gの導入で日本特有の課題に直面していると指摘。例えば3400〜4200MHzの範囲での5Gと静止衛星周波数間の干渉回避や空港近辺の高度計の問題回避など、他のサービスを保護するために設計された電波出力ガイドラインに準拠しなくてはならない。
また、アクティブな5G接続を使用していた時間の割合を示す5G利用率について、2022年第1四半期の日本ユーザーは4.1%にとどまっている。香港は21.7%、韓国は30.9%のスコアとなった。
2022年3月に発表したOpensignalの最新グローバル5Gエクスペリエンス・ベンチマークでは、日本は5Gカテゴリーの世界市場トップ15には入っていない。しかし日本/韓国/台湾は5Gのスピード・カテゴリー全てで目立っている。他の東アジア市場でOpensignalユーザーが体感した出力レベルに追いつけば、世界の主要な5G市場との体感差を埋められると推測している。
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