既報の通り、7月2日1時15分頃に発生したau/UQ mobile/povo携帯電話における通信障害は、7月5日15時36分に復旧した。
KDDIは7月2日18時から、本件に関する記者説明会をオンラインで開催した。その内容を簡単にまとめる。
今回の通信障害の原因はVoLTE交換機と加入者データベースの負荷の高まりにある(参考記事)。復旧に必要な作業は7月3日17時30分までに完了したものの、VoLTE交換機と加入者データベースの負荷が想定よりも下がらず、音声通話がつながりづらい状況が続いた。
負荷が下がらなかった原因は、全国に18台あるVoLTE交換機のうち6台から発せられた「過剰な信号」と突き止められた。そこで7月4日の昼過ぎから当該のVoLTE交換機をネットワークから切り離した所、負荷は軽減。同日14時51分から無線部分の流量規制を解除し、15時までにトラフィック(通信の流れ)における輻輳(ふくそう)は解消できたという。
その後も「回復」したかどうか見極めるため、ネットワークとトラフィックの状況監視は継続された。そし7月5日15時36分、トラフィックと音声通話の発着信成功率が通常通り(1週間前の同時間帯と同等)に戻ったことから「回復」したと判断した。
なお、シーケンス(ネットワークに接続する際の手順)の都合で自動で復旧できなかったり、復旧までに少し時間が掛かったりする端末も存在する。万が一、現時点でも音声通話(電話)ができなかったりデータ通信に支障が出たりしている場合は、端末の電源再投入(再起動)を試してみてほしい。
今回の障害に関連して、個人ユーザーからカスタマーサポート部門への申告数は7月5日13時時点で9万6723件に上った。現在は平常時とほぼ同じ件数まで収束したという。
既報の通り、今回の障害で法人ユーザーにもさまざまな影響が出た(参考記事)精査の過程で行政機関の業務にも影響が出ていることが判明したが、それも含めて解消しているという。
今回の通信障害は、電気通信事業法に定める「重大な事故」に該当する。そのため、今後KDDIと沖縄セルラー電話は総務省に「事故報告書」を提出することになる。その報告書の受領後、総務省では「電気通信事故検証会議」などを通して再発防止策を検討していく。
この動きに並行する形で、両社は今後「詳細な原因究明」「再発防止策の策定」「お客さま周知の在り方」について鋭意検討していくという。
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