操作性に大きく影響する、プロセッサとメモリの仕様は両モデル共通。プロセッサは今夏発売されたミッドレンジモデルの多くが採用するSnapdragon 695 5Gで、メモリが6GB、ストレージが128GBという構成だ。なお、どちらもmicroSD(最大1TB)を装着でき、ストレージを拡張することができる。
「Geekbench 5」というアプリでベンチマークスコアを測定したところ、Redmi Note 11 ProがReno7 Aよりも若干高いスコアを記録したが、実際の使用感で差を感じることはなかった。Snapdragon 8シリーズを搭載するハイエンドモデルのようなキビキビとした軽快さはないものの、日常使いで不便を感じることはないだろう。
両モデルは、内部ストレージの残量が十分に確保されている場合に、仮想的にメモリの領域を拡張できる機能を備えている。Reno7 Aは最大5GB、Redmi Note 11 Proは2GBを拡張可能だ。もちろん、両モデルは「メモリは6GBで十分」と思う人が選ぶべきだ。しかし、長く使い続けるうちに、データサイズが大きいアプリを使うようになったり、マルチタスク作業を多用するようになったりする可能性もある。メモリを拡張できる機能は、長期的な使用に向けた安心材料にはなるはずだ。
なお、メモリを拡張する前と後のベンチマークも比較してみたが、5GBを拡張したReno7 Aではわずかにスコアが高くなったが、2GBを拡張したRedmi Note 11 Proではほとんど差はなかった。
バッテリー容量は、Reno7 Aが4500mAhで、Redmi Note 11 Proが5000mAh。Redmi Note 11 Proが若干多いが、実使用時の電池持ちは互角だった。
電池持ちの比較として、フル充電の状態から、画面の明るさを最大にして、高画質(1080p)のYouTube動画をフルスクリーンで再生させてみた。Reno7 Aは1時間後に92%、2時間後に84%、3時間後に77%というように電池が減った。一方、Redmi Note 11 Proは、1時間後が94%、2時間後が86%、3時間後が78%という結果だった。ほぼドローといっていいだろう。
ただし、充電に要する速度にはけっこうな差が生じた。Reno7 Aは18W(Power Delivery 2.0)の急速充電に対応している(充電器は非同梱)のに対して、Redmi Note 11 ProはXiaomi独自の67Wの急速充電に対応し、充電器が同梱されている。両モデルのウェブサイトやカタログでは、Reno7 Aの100%までの充電時間は約125分、Redmi Note 11 Proは42分と記されており、Redmi Note 11 Proの速さが圧倒的だ。
両モデルの電池残量が73%の状態から、実際に充電して比べてみたところ、Reno7 Aは10分充電して82%になったが、Redmi Note 11 Proは5分で86%に達して、10分後には95%までチャージできた。充電の速さと充電器が付いていることは、Redmi Note 11 Proの大きな利点と評価できそうだ。
OSはAndroid 11をベースに、メーカー独自のカスタマイズを施したものを搭載。Reno7 Aは「ColorOS 12」、Redmi Note 11 Proは「MIUI 13」という名称・バージョンだ。どちらもホーム画面にインストール済みの全てのアプリを表示する「標準モード」に初期設定されているが、スワイプしてアプリ一覧を表示させる「ドロワーモード」にも変更可能だ。また、画面下にナビゲーションボタンを表示させるか否かも選択できる。つまり、一般的なAndroidスマホと同じように操作でき、操作性に大きな違いはない。ただし、MIUI 13の「設定」画面は、一般的なAndroidスマホとは構成が異なり、見慣れない項目もあるので、Xiaomiの端末を初めて使う人は戸惑うかもしれない。
Reno7 Aは、長期的な使用によるシステム劣化を抑える仕組みを導入し、サクサクの操作感が36カ月間続くことをセールスポイントとしている。その効果は、実際に3年使ってみないことには評価できないが、長く使い続けたいと思っている人は、大きな利点となるだろう。
Reno7 Aは、microSDも装着できるデュアルSIMスロットを搭載しつつ、eSIMに対応していることも魅力だ。2回線を使いたい場合は、nanoSIM+nanoSIM、nanoSIM+eSIMのどちらでも利用でき、nanoSIM+eSIMで使う場合は、同時にmicroSDを使うことも可能だ。一方、Redmi Note 11 Proは、nanoSIMとmicroSDを装着できるスロットを搭載する。eSIMにも対応しているので、nanoSIM+eSIMで使うことができるが、nanoSIM+nanoSIMという使い方はできない。
Reno7 AはIPX8の防水性能を有していることも心強い。IPX8は水深1.5mの水中に30分端末を沈めても、内部に浸水せずに故障にならない等級だ。一方、Redmi Note 11 Proの防水性能はIPX3で、雨にぬれても心配ない程度。多くの人にはIPX3で十分だが、水回りで使うことが多い人はIPX8に対応したReno7 Aを選ぶのが得策だろう。
わずか1週間ほどの期間ではあるが、OPPO Reno7 AとRedmi Note 11 Pro 5Gを使い比べてみて、スペックは近いものの、使用感には結構差があるように感じた。Reno7 Aは持ちやすいサイズ感で、これといった癖がなく、誰でも快適に使いこなせそうな印象だ。Redmi Note 11 Proは、120Hz対応のディスプレイや、1億800万画素をメインとするトリプルカメラ、67Wの急速充電など、ハイエンドモデル並みの機能を備えていることが魅力だろう。ただし、これだけの性能を備えているのだから、プロセッサの性能はもう少し高いほうがいいのでは? そうすれば、夜景写真もサクサクと撮れるのでは? と思ったりもした。
【訂正:2022年8月22日21時30分 初出時、Redmi Note 11 Pro 5Gの紹介で「68Wの急速充電」としていましたが、正しくは「67Wの急速充電」です。おわびして訂正いたします。】
至極当たり前のことではあるが、両モデルの違いに着目して、自分の用途により適したモデルを選ぶことをおすすめしたい。
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