厚生労働省とデジタル庁が運用する「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」について、河野太郎デジタル大臣は9月13日の会見で、感染者の全数把握の見直しに伴い、機能を停止する方針を明らかにした。具体的な時期は未定という。
COCOAはAppleとGoogleが共同で開発した仕組みを使ったアプリ。スマートフォンのBluetooth機能を使い、おおむね1m以内の距離で15分以上近接状態にあった場合に接触として検知する可能性が高くなる。接触した人の中に陽性登録をした人がいれば、接触の可能性を通知した上で、適切な行動を通知する。
2020年6月の提供開始以降、実際に接触しても通知が届かないなどの不具合が相次いだ。利用者や会計検査院からは動作確認の把握がずさんだとの指摘もあった。
COCOAは新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム(HER-SYS)を基盤としている。開発に関わる有山圭二氏はソフトウェア開発のプラットフォーム、GitHubで「v2.1.0のリリースを中止し、COOCAの機能停止版の検討と開発を行う」とコメントしている。
河野大臣は「何が悪かったのかしっかり総括し、次のパンデミックにつなぐ必要がある」と述べた上で、利用者へのアンケートを実施する考えを明らかにし、利用者に「COCOAのアンインストールは待ってほしい」と呼びかけた。アンケートの時期については改めて案内するという。
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