iPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Maxは常時表示ディスプレイを搭載する。これは特定のアプリやホーム画面などを常に表示させるものではなく、ロック画面の輝度を下げつつ時刻、事前に設定したウィジェット、壁紙を常に表示させておくことのできるものだ。
リフレッシュレート(1秒間に何回書き換えるかを示す数値)は常時表示が有効の状態なら1Hz、通常の表示なら最大120Hzとなる。Appleいわく、常時表示が有効になっている状態ではA16 Bionicの複数のコプロセッサを使い、最小限の電力消費でディスプレイを書き換えることで、バッテリー消費を極力抑えながら常時表示を可能にするそうだ。
Apple製品としてはApple Watch Series 5で初搭載され、それと同じ機能がiPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Maxにも新たに搭載された格好だ。
なお、常時表示は以下の場合を除き、有効になる。
……とここで気になるのが、実際に使用する場合、常時表示がオン/オフでは電池の持ちがどれくらい違うのか。iPhone 14 Pro Maxを2台用意し、それぞれ常時表示を有効にした状態と、無効にした状態とで差が現れるのかを検証してみた。
左側に置いたiPhone 14 Pro Maxで常時表示が有効に、右側に置いたiPhone 14 Pro Maxで常時表示が無効になるよう、事前に設定しておいた。常時表示以外の条件をなるべくそろえるべく、両方とも最大5つのアプリで通知が届くように設定し、Wi-Fiをオン、Bluetoothをオフにしておいた。
ロック画面で常にバッテリー残量を確認できるように、それぞれ同じウィジェットを設定。壁紙はデフォルト(購入時)のままにしておいた。
午前11時から12時までの1時間、机上に置いたまま放置しておいたところ、両方に大きな変化は見られなかった。バッテリー残量は100%を表示されていた。そこからさらに1時間後の13時を過ぎても1時間前から変わっていないことを確認できた。
さらに1時間後の14時にロック画面を確認すると、常時表示が有効のiPhone 14 Pro Maxのバッテリー残量は98%、無効のiPhone 14 Pro Maxのバッテリー残量は100%のままになっていた。
両方とも11時から14時までの間、3つのアプリの通知を10回ほど受けた。通知内容は昼のニュースとSlack、それに天気に関するもの。各通知は頻繁に届いていないため、その都度ディスプレイが点灯しっぱなし……ということにはつながらなかった。
常時表示オン/オフの状態からSNSやその通話などの通知を受けると、電池持ちにどう影響するのかを確かめるべく、編集長から筆者宛にFacebook MessengerとInstagramで自分宛に電話をかけてもらった。
電話を受けると常時表示が有効のiPhone 14 Pro Maxでもディスプレイが明るくなった。あえて電話を受けずに通知を残して、しばらく放置してみたところ、再びディスプレイがやや暗くなり、通常のロック画面の表示から常時表示に切り替わった。
14時から17時までの間に両方で通話をしたり、夕方のニュースの通知がいくつか届いたが、それほど電池の持ちに影響を及ぼさず、17時時点でのバッテリー残量は常時表示が有効のiPhone 14 Pro Maxで94%、無効のiPhone 14 Pro Maxのバッテリー残量で98%となっていた。
そこから1時間後の18時、さらに19時に再び確認したところ、常時表示が有効のiPhone 14 Pro Maxは93%、無効のiPhone 14 Pro Maxのバッテリー残量で97%となっており、両方の差は約4%。約7時間で大差が出ると予想していたが、外に持ち出さずに室内での検証だったこともあってか、微妙な差となった。
ここまでお伝えした通り、1Hzにまでリフレッシュレートを減らして、常時表示を可能にするiPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Maxだが、リフレッシュレートを下げてもディスプレイが駆動していることに変わりはないので、その点が電池の持ちへ影響したものと思われる。
常時表示の設定項目はデフォルトで有効になっているので、電池の持ちをシビアに気にする人は有効から無効に切り替えるといい。常時表示のオン/オフを切り替える手順は下記の通り。
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