衛星通信サービス「Starlink」は誰向け? 将来的にはスマホとの直接通信も視野に(2/2 ページ)

» 2022年10月20日 09時30分 公開
[石井徹ITmedia]
前のページへ 1|2       

船舶向けはまずは日本の領海内から

 船舶向けサービスの「Starlink for マリタイム」について、KDDIはSpaceXとともにサービスの提供を準備しているという。KDDIの松田氏によると「総務省と協議を進めている。日本の領海内は制度上の準備ができているため、まずは領海内でのサービス展開を実現したい」という。Starlink for マリタイムが日本で提供開始された場合、個人向けサービスはSpaceXが提供主体となり、法人向けサービスはKDDIが提供する体制となるようだ。

Starlink 船舶での通信サービスは日本の領海内から展開する方針という

将来的にはスマホとStarlink衛星の直接通信も視野に

 数年後には、スマートフォンとStarlink衛星との直接通信も実現しそうだ。

 例えば、10月に発売されたiPhone 14シリーズでは、「衛星通信による緊急通報」機能を備えている。これは、衛星通信の周波数帯をスマホ内蔵のアンテナで扱い、少ないデータ容量を実現する仕組みだ。この仕組みに近い通信システムが、より多くのスマートフォンに搭載される可能性がある。

 iPhone 14シリーズの通信機能はStarlinkの衛星通信システムを採用していないが、SpaceXもこれに近い計画を有している。SpaceXと米携帯キャリアのT-Mobileの発表によれば、2023年に打ち上げられる次世代のStarlink衛星通信により、全米でテキストメッセージが送れる速度の通信サービスを提供するという。

Starlink 図の下段に描かれている「スマホとの直接通信」は数年後に実現が見込まれる

 5Gの周波数帯を活用した衛星やHAPS(成層圏プラットフォーム)との通信サービスは、「5G NTN(Non-Terrestrial Network、非地上系ネットワーク)」とも呼ばれており、標準規格化に向けた議論が進められている。SpaceXとT-Mobileの事例は、その先駆けの1つとなりそうだ。

 日本で5G周波数帯による衛星通信サービスが実現すれば、山岳部や海上での通信環境の改善が一気に進みそうだが、その見込みはあるのか。KDDIの松田氏は「周波数政策など、制度面での課題を解決する必要がある。日本国内だけでなく、国際的にも議論が進んでいる状況で、実現できる時期の見通しは示せない」と慎重な姿勢を見せた。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月26日 更新
  1. 「0.2秒で冷却」をうたうペルチェ素子搭載の腰掛けファン Amazonで53%オフ (2026年07月24日)
  2. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  3. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  4. 330円で手に入る「足元灯」「非常灯」 充電式になって利便性向上 (2026年07月25日)
  5. 従来の健康保険証は7月31日で利用不可に 8月1日以降は「マイナ保険証」の利用を (2026年07月24日)
  6. サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か (2026年07月25日)
  7. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  8. モトローラから新しいミドルレンジスマホ「moto g37」シリーズ登場 ソフトバンク、楽天モバイル、ドコモも取り扱い (2026年07月24日)
  9. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  10. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー