「Apple Watch Ultra」はガジェット愛好家も選ぶべき? 日常使いでの○×をチェック(1/2 ページ)

» 2022年10月30日 11時00分 公開
[井上晃ITmedia]
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 Appleが9月23日に発売した「Apple Watch Ultra」は、シリーズで初めてアウトドアユースを強く意識したモデルだ。ラインアップの他モデルに比べるとディスプレイが大きく、アクションボタンが追加されるなどデザイン面における独自の特徴も多い。また、動作温度が広がった他、バッテリー持ちが改善され、ダイビングや登山などでの利用を想定した新機能もいくつか追加されている。

 ゆえに、同機がアウトドアで活躍するのは当然だ。一方、購入検討者の全員がアウトドア好きとは限らないだろう。本稿では、そんな視点から、Apple Watch Ultraを“都市部・市街地で日常使い”する上でどんな点が便利で、どんな点に注意しなくてはならないのかをチェックした。

Apple Watch Ultraの概要

 Apple Watch Ultraは、2022年9月のAppleイベントにて発表された新モデルだ。同イベントでは、「Series 8」「SE(第2世代)」「Ultra」という3種類のApple Watchが発表され、中でもUltraはシリーズ初となるアウトドア向けモデルとして注目された。

Apple Watch Ultra 「Apple Watch Ultra」

 Apple Storeでの価格は12万4800円(税込み、以下同)。他社のアウトドア向けスマートウォッチのハイエンドモデルと近い価格設定になっているのが分かる。一方、SE(第2世代)の3万7800円〜、Series 8の5万9800円〜比べると価格は一回り以上高額だ。

 ケースサイズは49mmの1種類のみであり、Series 8の41mm・45mm、SE(第2世代)の40mm・44mmように2サイズを選べる構成にはなっていない。ケースもチタニウムのみで、カラーバリエーションは1色しかない。また、Apple Watch Ultraには、「GPSモデル」が用意されておらず、通信プランの契約によってはモバイル通信が行える「GPS+Cellularモデル」のみの展開となる。

Apple Watch Ultra 大きいディスプレイでは手動の文字入力もしやすい

普段使いでは“鋭いエッジ”を搭載がやや気になる

 Apple Watch Ultraのデザインは人によって好みが分かれるだろう。ディスプレイはベース部分から少し上部に飛び出るような形状になっており、エッジが鋭くなっている。Digital Crownとサイドボタンは本体から少し飛び出たようにデザインされており、Digital Crownのサイズも他モデルと比べて大きい。サイドボタンのある側面の反対側には好みのショートカット機能を割り当てて呼び出せる「アクションボタン」を備える。

Apple Watch Ultra ディスプレイがケース部分から少し飛び出たような形状になっていて鋭い。また、アクションボタンは、サイドボタンとは反対側の側面にある

 こうした特徴は、どれもアウトドアシーンに最適化されたものだ。突き出したディスプレイはウェアの袖口に埋もれにくいと感じるし、フレームがあることで強度の向上にも貢献していそうだ。また、大きめのDigital Crownや、新設されたアクションボタンは、グローブを装着した状態でも扱いやすくなるよう考えられたものだ。

 しかし、日常使いを想定すると、やや気になってくるポイントもある。例えば、本体に鋭いエッジがあることは、腕を振り回したときに意図せぬ衝突があると危険だ。近くに人がいる環境でワークアウトを行うときには意図せぬ接触に気を付ける必要があるし、もし家族と川の字で寝るような寝室で睡眠の計測をするなら気が引ける。

 Apple WatchのUltra以外のモデルは、こうした危険がないように凹凸やエッジが極力ない形状に徹底して整えられていた。一方、Ultraは最上位モデルらしく“機能”こそフル装備しているものの、こうしたデザイン面の事情から、完全に同じ感覚で使うことはできないと感じる。

Apple Watch Ultra Digital Crownとサイドボタンのベース部分が少し飛び出ている。Digital Crownが肌に当たるのは少々気になった

 また、Digital Crownが大きくなったため、Digital Crownを回転させる操作を行うときに、溝の凹凸が肌に触れて気になる場面もあった。もちろん操作の仕方や角度によっては当たらないこともあるが、たまに意図せずカリカリと皮膚に当たると、致命的ではないものの、微妙な不快感を覚える。

 とはいえ、トレッキングブーツやウェア、バッグなどを普段使いのファッションとして好む人がいるように、Apple Watch Ultraのアウトドア志向のデザインが琴線に触れる人もいるはずだ。例えば、専用文字盤の「ウェイファインダー」は、Digital Crownの操作で画面を赤く切り替えることができる。暗所でも光の刺激が少ないので、寝室でも使えるし、雰囲気もいい。もし外観や文字盤が気に入ったのなら、ここで挙げたデメリットなどささいなものだろう。

Apple Watch Ultra 専用文字盤の「ウェイファインダー」。暗所で使うといい雰囲気になる

 一方、アウトドアユースに特化したバンドは、付け心地が快適とは限らない。今回使用したトレイルループバンドも、従来のスポーツループバンドと比べると肌触りが固め。睡眠時の着用を含め、長期の日常使いを想定するなら、別途肌に合うバンドも探したいところだ。

Apple Watch Ultra あまり快適とは言いがたかった、トレイルループバンド
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