BALMUDA Phoneに次ぐ新製品、投入先送りに 寺尾社長「研究開発は止めない」

» 2022年11月08日 19時20分 公開
[石井徹ITmedia]

 バルミューダ(BALMUDA)は11月8日、2022年度第3四半期(7月〜9月)の決算説明会を実施した。会見に臨んだ寺尾玄社長は、BALMUDA Technologiesブランドの新製品について、「投入スケジュールが後ろ倒しになっている」と明らかにした。

BALMUDA 11月8日、オンラインで決算説明会に臨んだBALMUDAの寺尾玄社長

 バルミューダは2021年11月末、Androidスマートフォン「BALMUDA Phone」を発売し、スマートデバイス分野に参入した。その際に、寺尾社長は「次のデバイス、2号機、3号機のデザイン、開発は始まっている」とコメントし、“スマホというには大きな画面の新製品”の投入を示唆していた。

 8日の決算説明会で寺尾社長は、BALMUDA Technologiesブランドの新製品開発を継続していると改めて強調した。ただし、その製品投入のスケジュールが「後ろ倒しになっている」という。

BALMUDA Phone BALMUDA Technologiesブランドの第1弾として2021年に発売され、現状唯一の製品となっている「BALMUDA Phone」

 新製品の投入計画に影響を与えているのは、為替レートの影響だ。昨今の円安基調は輸入企業に打撃を与えているが、バルミューダも例外ではない。同社は自社で企画・設計した家電やモバイル機器を海外の委託工場で生産し、主に日本市場で販売しているため、円安は収益減少につながる。この円安は同社の想定以上に進んだとして、通期の連結業績を当初比99.6%減となる下方修正する見通し発表している。

 円安は利益を圧迫するだけでなく、将来の販売計画にも影響する。現状は「製造原価が激しく、売値の価格設定も難しい。製品投入の計画が立てづらくなっている」(寺尾氏)という。こうした背景からバルミューダは、現状では販売管理費などの支出を削減する、保守的な経営方針を取っている。

 一方で寺尾氏はBALMUDA Technologiesブランドの新製品の投入を諦めていないことを強調している。寺尾氏は「困難な状況下でも、開発を止めることだけはするべきでない。ブランドの歩みを止めるのというのは、死にも近しいことだ。困難な状況で工夫して商品を上げていくのかという、新しいチャレンジが必要な局面を迎えている」と語った。

発売1年を迎えるBALMUDA Phone、ソフトバンク向けに追加納入

 BALMUDA Phoneには、バルミューダが販売する「SIMフリー版」とソフトバンクが独占販売する「キャリア版」が存在するが、SIMフリー版は販路がバルミューダの直営店に限られており、出荷台数に占める割合は大きく無いようだ。SIMフリー版の販売実績について、バルミューダの担当者は「想定を若干下回っている」とコメントしている。

 BALMUDA Phone関連製品が属する通信機器分野の売上高は、2022年第2四半期に500万円に落ち込んでいたが、第3四半期にはソフトバンク向けの追加納入があり、1億7200万円と第1四半期並みの水準に回復している。

BALMUDA バルミューダの決算説明会資料より。携帯端末関連事業がBALMUDA Phoneとその周辺機器によるもの。大部分がソフトバンク向けとなっている

BALMUDA Phone、アプリには新機能追加

 BALMUDA Phoneは11月16日で発売から1年を迎える。家電製品でブランドを確立したバルミューダのスマホ市場参入は、ソフトバンク版で14万円台という強気の価格設定とともに、大いに注目を集めた。

BALMUDA Phone BALMUDA Phoneの形状は、寺尾社長自らがチーフデザイナー考案。河原の小石をモチーフとしたという

 ただし、BALMUDA Phoneの状況は、順風満帆とはいいがたい。発表直後にはソフトウェア不具合や認証を巡る不備が発覚し、修正されたものの出鼻をくじかれる結果となった。BALMUDA Phoneの出荷分の大半を販売するソフトバンクは、2022年春の商戦期に販売価格をほぼ半額に引き下げるキャンペーンを実施するなど、市場価格の激しい値動きも見られた。

 一方で、BALMUDA Phoneでは発売後のアップデートによる機能改善などは続けられている。2022年5月には専用フォント「AXIS BALMUDA」が追加され、6月末にはBALMUDA Phone専用のワイヤレス充電器が発売された。9月にはAndroid 12へのOSバージョンアップも提供されている。また、専用アプリの1つ「BALMUDA Scheduler(スケジューラ)」は、他社製のAndroidスマートフォン向けに提供されるなど、発表時にはなかった動きもみられる。

BALMUDA BALMUDAの決算説明会の補足資料の中で、BALMUDA Phoneの専用アプリへの機能追加の予定が明らかにされた

 11月8日の決算説明会では、BALMUDA Phoneのアプリへの新機能の提供予定が明らかにされた。バルミューダによると、2022年12月までに「専用アプリへの機能追加」を実施する予定という。BALMUDA Phoneは複数のアプリを搭載しているが、機能追加がどのアプリに対するものなのかは、明らかにしていない。

 なお、BALMUDA Phoneの発表時には「2022年までに10種類の専用アプリの投入を目指す」と表明しているが、2022年11月時点のラインアップはBALMUDA Phone発売時から提供されているホーム、スケジューラ、メモ、計算機、カメラ、ウォッチの6種類のみとなっている。今回、新たに発表された情報が「専用アプリへの機能追加」のみということは、裏を返せば年内の新アプリ投入は難しい見込みだと推測できる。

BALMUDA BALMUDA Phoneの発表時、寺尾社長は「2022年までに10種類の専用アプリの投入を目指す」と表明したが、2022年11月時点で新アプリは投入されていない。

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