最新モデルであれ、型落ちモデルであれ、手元に新品のiPhoneが届くと、「早く使い始めたい!」というはやる気持ちを抱いてしまいます。そのため、初めて電源を入れてから、表示されるがままに、次へ次へと設定したくなることでしょう。
でも、ちょっと待ってください。もしかしたらそれがユーザーにとって不利益を被る結果となってしまうかもしれないのです。
今回は、初期設定で特にやってはいけないことを紹介します。
カフェなどで、写真を友人と共有するためAirDropを立ち上げたとき、またはiPhoneでテザリングしようとPCのWi-Fiを立ち上げたときに知らない人の名前がついたiPhoneが「デバイス」に表示されたことはありませんか?
実は、初期設定ではiPhone本体の名前は、AppleIDに登録した名前が自動的につけられるようになっています。そのため、気付かないうちに自分の本名を周りの人にさらしてしまっているというわけです。
電車やバスなど、ある程度人数が多い場所であれば“身バレ”する可能性は低そうですが、自宅マンションやオフィスのあるビルのエレベーターなど、定員人数の少ない場所では、やがて名前を特定されてしまうかもしれません。早急に対策を取りましょう。
本体名の変更方法は簡単です。iPhoneの設定Appを開き、「情報」→「名前」と進めば、本体名を自由に変えられます。本名や性別を特定されにくいものにしておけば、より安全に使い続けられるでしょう。
写真やWebサイトのリンク、目的地までの経路などを近くの人と共有するのにとても便利な機能の「AirDrop」。非接触でデータを飛ばし、複数人で同じデバイスの画面をのぞき込まずに済むため、“密”を避けられるという今どきにマッチしたメリットもあります。
しかし、「AirDropチカン」という言葉が生まれたように、見ず知らずの人から不快な画像の受信リクエストが送られてくる被害も生じています。これを防ぎたいのであれば、AirDropの受信許可を「連絡先のみ」にしておきましょう。
ありがたいことに、12月13日にリリースされたiOS 16.2では、AirDropの共有オプションの「すべての人」が、時間制限付きの「すべての人(10分間のみ)」へと変更されました。10分経過後は、「連絡先のみ」に自動的に戻るので、設定を変更し忘れたとしても安心です。
なお、iOS 16へアップデートできるのは、2017年に発売されたiPhone 8以降のモデル。人気の高かったiPhone 6sやiPhone SE(第1世代)ユーザーは利用できないので、AirDropの受信許可設定を「連絡先のみ」にしておくようにしましょう。
iPhoneには高度なセキュリティ機能があり、ロック画面を解除するためにパスコードやFace IDまたはTouch IDを設定するよう勧められています(設定しないと、Apple Payを利用できません)。
瞬時にロック画面を解除できるFace IDやTouch IDが人気ですが、これらが機能しなくなったときのために、必ずバスコードを設定する必要があります。デフォルトでは6桁の数字、その他英数字や4桁の数字をパスコードとして設定できますが、これを生年月日や電話番号など、他人から推測されやすいものにしてしまうと、容易にiPhoneのロックを解除されてしまいます。
中を見られるだけならまだしも、自分の知らないうちにネットショッピングを使われてしまい、金銭的な被害を受けてしまうかもしれません。
もし、iPhoneを使い始めるときに推測されやすいものでパスコードを設定してしまったのであれば、すぐに変更しましょう。
設定Appを開き、「Face IDとパスコード」→「パスコードを変更」から行えます。6桁の数字ではなく、アルファベットも混ぜたいのであれば、「パスコードオプション」をタップして、リストから選択しましょう。より高度なセキュリティ対策を取ることができますよ。
iPhoneを使い始めるときの設定で「してはいけないこと」を紹介しました。既に使っている場合は、ぜひ設定を見直してみてください。より安心したiPhoneライフを過ごせるようになりますよ。
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