ゲーミングPCを展開するRazerは数年前にスマートフォン市場に参入し、「Razer Phone」を華々しくデビューさせた過去があります。しかしモバイルゲーマーにとって当時のハイエンドスマートフォンでもスペックが低いと感じられたためか、2機種を出したのみに終わってしまいました。
そんな中、Razerは2022年10月にポータブルゲーミングデバイス「Razer Edge」を発表。プロセッサはSnapdragon G3x Gen 1で、Wi-Fi 6Eモデルの「Razer Edge Wi-Fi」に加え、5Gモデル「Razer Edge 5G」も販売されます。これはもうRazer Phoneの後継機ではないか! と思えるハイスペックな製品です。
CES 2023のRazerブースではWi-Fiモデルと5Gモデルの両方が展示されていました。発売は2023年1月下旬ということもあり、ブースにはいち早くRazer Edgeを触ろうとする来客が多く集まっていました。Razer Edgeの搭載するSnapdragon G3x Gen 1の性能は、最新のハイスペックスマートフォンに使われるSnapdragon 8 Gen 2より若干落ちるものの、ゲーミングデバイスに特化したプロセッサになっています。Razerのゲームポータルからさまざまなゲームを楽しめますが、OSはAndroidですから、一般的なAndroid端末として使うことも可能です。
試しに縦に持ってみると画面表示も縦向きとなり、スマートフォンのような使い方も可能です。とはいえ、左右にゲームコントローラーが出っ張っているので、このまま使うのは現実的ではないでしょう。
実はRazer Edgeのゲームコントローラーは脱着式で取り外すことができます。普段持ち運ぶときもゲームパッドを付けたままだとさすがに大きすぎるということでしょうね。このコントローラー部分は「Razer Kishi V2 Pro」というもので、これを外せばスマートフォンになるのでは? と誰もが思うのではないでしょうか。
取り外してみると6.8型(1080×2400ピクセル)、144Hz駆動のディスプレイを搭載するスマートフォンスタイルになります。ゲームをしないときでもコントローラーを外してSNS用途に使うというのも十分ありかな、と思える大きさです。ただし音声通話やSMSには対応しませんから、厳密にはスマート「フォン」とはいえないでしょう。
また、背面にカメラは搭載せず、写真撮影をするには前面の500万画素カメラしか使えません。背面の仕上げはプラスチックの質感そのままといった感じで、これは普段はコントローラーを付けて使うことから、それほどハードな仕上げにしていないということなのでしょう。とはいえ、背面のRazerロゴはRazerファンにはそそるものがあるでしょう。
側面を見ると、左側(横向きに持った時は下側)にmicroスロット、右側(同上側)にボリュームキー、電源キーを備えます。なお、Wi-Fiモデルも5Gモデルもボディー構造は同一です。5GモデルはeSIMのみに対応するため、SIMカードスロットは非搭載です。
さて、CES 2023のRazerブースに展示されていた5Gモデルを見てみると、キャリア表示に「Verizon」、アンテナピクト横に「5G」の表示があります。Razer Edge 5Gはベライゾンからのみの発売となり、ベライゾンのeSIMに対応します。なお恐らくSIMロックありでの割引販売が行われ、一定期間利用後SIMフリー化が可能になると思われます。
気になるのは5Gの速度。CESの展示会場という屋内でベライゾンのミリ波がどれくらい届くのかということも興味がありました。スピードテストアプリで速度を図ると下りは200Mbps、上りは20Mbpsといったところ。Razer Edge 5Gに入れるeSIMはベライゾンのタブレット契約プランになるようで、もしかすると同プランはこの速度に調整しているのかもしれません。
Wi-FiモデルはRazerのオンラインストや家電量販店などでも容易に購入できるでしょうが、5Gモデルはベライゾンの店舗で買う必要がありそうです。ゲームをする目的ならWi-Fi版でも十分でしょうが、筆者のようなスマートフォン好きならぜひ5Gモデルを買いたいところ。筆者はRazerが好きで過去のスマートフォンも持っているだけに、どうにかしてRazer Edge 5Gを買おうと策を練っているところです。
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