携帯電話の乗り換え(MNP)でやってはいけないこと 料金が高くなる場合も?(1/3 ページ)

» 2023年03月17日 15時30分 公開

 春商戦に突入し、携帯電話会社の乗り換えをする方が増えてくる時期がやってきました。従来の「2年契約」の影響から携帯電話会社の乗り換えを2年周期で行っている方も多いようです。携帯電話会社の乗り換えを検討する度に「解約金」「更新月」「SIMロック解除」について調べている方もいるでしょう。

 今回は、携帯電話の乗り換えに関しての注意点や手順についてまとめました。そしてごく基本的なことではありますが「乗り換えでやってはいけないこと」についても記事の最後で触れています。最新の情報源として、インタビューに選んだのは弊社が運営する携帯ショップ「TOP1」の店長(入社7年目)。来店客の方からおほめの言葉だけでなく、お叱りの言葉もたくさんいただいてきた店長の話を聞くことができましたが、このインタビューは筆者にとっても勉強になりました。記事内の料金表記は全て税込みです。

※今回の記事における「乗り換え」の定義ですが、同一キャリア内の異なるブランドへの変更も便宜上「乗り換え」に含めます(ドコモ→ahamo、au→UQ mobile、ソフトバンク→Y!mobileなど)。

MNP乗り換えで注意すること 入社7年目の店長に乗り換えの注意点を聞いた

ヒアリング内容

乗り換えの注意点

  • 使えなくなるサービスについて
  • 「乗り換えたら料金が高くなってしまった」その原因は?
  • 乗り換え前にやっておくべきこと
  • 店舗はどこまでデータ引き継ぎをサポートしてくれるのか?
  • 乗り換え手順としては「SIMロック解除→MNP予約番号発行」が望ましい

やってはいけないこと

  • 乗り換え前に解約する
  • 対象機種を調べずに乗り換えする
  • 端末返却→残債免除のタイミングを逃す
  • (解約後でも)使っていないサービスの料金を支払い続ける
  • 内容をよく理解せず、プランを契約、オプションに加入、アクセサリーを購入する

乗り換えの注意点

 まずは他社への乗り換えの際、店舗にて来店客の方からよく質問される内容や、乗り換えに関する注意点について解説していきます。

使えなくなるサービスについて

 他社への乗り換えで使えなくなるサービスの代表例としては、キャリアメールアドレスがあります。日頃からキャリアメールアドレスを使っている方は、乗り換え後の規定の期日内に各キャリアのメールアドレス引き継ぎサービス(月額330円)を契約しましょう。キャリアメールアドレス以外にも、他社に乗り換えたら使えなくなる可能性があるものとして、留守番電話機能があります。留守番電話に関しても乗り換えたら使えなくなるかどうかチェックしておきましょう。

 また、乗り換え後でも使えるサービス・使えなくなるサービスについて「アカウントにひも付いているもの」と「保証」に関することも触れておかねばなりません。

 各携帯電話会社のアカウントにひも付いているサービスでも、「乗り換え後に使えるもの・使えなくなる」ものは分かれます。例えばNTTドコモのdアカウント対応サービスである「dマガジン」は、ドコモを解約しても利用できますが、同じdアカウント対応サービス「ドコモ電話帳」は回線を解約すると「ドコモクラウド」上にある電話帳のデータは消えてしまいます。

 次にスマートフォンの端末に対する保証サービスに関してですが、例えばソフトバンクの「あんしん保証パックサービス」は2021年7月14日以降に加入の場合は乗り換え後でもサービスは継続されます。一方、2021年7月13日以前に加入したものは原則解除されます。ただし、2019年9月13日以降に「あんしん保証パックプラス」に加入、あるいは2019年9月20日以降に「あんしん保証パック with AppleCare Services」に加入した場合は乗り換え後でもサービスが継続されます。このように保証サービスに関しては加入時期によって解除・継続が分かれます。 

MNP乗り換えで注意すること ソフトバンク MNP/解約をした場合に継続となるオプション(画像引用:ソフトバンク公式サイト)

 携帯電話料金と一緒に請求される「キャリア決済」についても触れておきましょう。キャリア決済サービスとは利用料金を毎月の携帯電話料金の支払いと合算させて利用するサービスですが、キャリア決済サービスには「セキュリティソフト」「スマホ保険」「エンタメ系コンテンツ」「iCloud」などが当てはまります。これらのサービスは他社に乗り換えることによって解除されてしまいます。もしこれらのサービスを利用するのであれば、クレジットカード払いに変更するなど、支払い方法変更の手続きをしておきましょう。

「乗り換えたら料金が高くなってしまった」その原因は?

 「他社に乗り換えたのに、携帯電話料金が高くなってしまった」。これは他社に乗り換えたことによって家族間通話無料サービスが使えなくなったにもかかわらず、家族間通話を長時間してしまったためと考えられます。あるいは自分の携帯電話料金が、というよりも他社に乗り換えたことにより、(乗り換えしていない)家族回線の割引額が小さくなり、その結果家族の携帯電話料金が高くなってしまったといったこともあります。

MNP乗り換えで注意すること NTTドコモ みんなドコモ割 回線数が減ると割引額も減少

 また、SoftBank 光を使っていた場合、「おうち割光セット」を組んでいた回線が全て解約された状態で、SoftBank光をそのままにしたとします。すると、おうち割光セットを適用させるために必要な「光BBユニット」「Wi-Fiマルチパック」「電話サービス」の3つのオプションのセット割引は消失、結果としてSoftBank光の月額料金は高くなってしまいます。

 あるいは、固定回線ではなくタブレットとスマートフォンをセットで契約していて、スマートフォンだけ解約すると、タブレットの料金が上がってしまう、という事例もあります。予期せぬ料金負担を避けるためには、他社乗り換えの際に家族回線、固定回線についても一度見直してみましょう。

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