「G'zOne TYPE-XX」1年使用レビュー スマホ全盛でもG'zOneケータイを手放せないワケ(2/2 ページ)

» 2023年03月23日 12時34分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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今どきのスマホにはない押しやすいキー

 では、肝心のキー操作についてはどうだろうか。ケータイはスマートフォンと違って機種ごとにキー配列などが異なるし、キーの凸凹加減(どれだけ突出しているのか、出っ張っているのか)が違うので、キーの打ちやすさは当然見逃せない点だ。

 G'zOne TYPE-XXは初代G'zOne(C303CA)へのオマージュでもある円形10キーを採用。照光機能を維持したまま、アルミ切削スピン加工のようなメタリック調の見た目となっている。公式サイトでは「広いキーピッチで隣接するキーとの誤押しを軽減できる」と説明されており、丸形ボタンの周囲を壁で囲むような形状となっている。

 10キーは指の腹だと打てるが、これが指の爪だとキーに触れる面積が狭いため、正直押しづらいというのが結論。この点、人によって印象は違うかもしれない。丸形のキーなので、大半の人は押しやすいと捉えるはずだが、ネイルをしていたり爪が短かったりする人だと、かえって押しづらいと感じるだろう。

カシオ GzOneケータイ 押しやすいキーだが、ごみがつまりやすい部分もある

 センターキーは六角カーソルの表面にワッフル状のテクスチャーを施すことで、グリップ感が高まっている。ただ、この六角キーを囲むように壁のようなものが設けられているため、六角キーと壁の間(溝)にごみが詰まりやすいという欠点も生まれている。筆者はごみが詰まった場合、先端の細いピンセットや爪ようじなどで取り除くようにしているので、もしG'zOne TYPE-XXユーザーでこの点にお困りなら、ぜひ試してほしい。

 10キーの下部にあるのはカスタマイズキーだ。電卓やメモなど、よく使う機能を最大2個まで登録でき、ワンタッチで呼び出せる。電話帳に登録した電話番号も割り当て可能で、頻繁にかける相手を登録しておくと便利だ。昨今のケータイには3つボタンのあるものが多く、この点も人によっては「ボタンが1つ足りない」と感じるかもしれない。

時刻やコンパスは閉じた状態でも一目で確認可能

 従来のG'zOneケータイから引き継がれたサブディスプレイにも注目したい。これはシリーズのトレードマークでもあり、折りたたみの構造だからこそ実現できた部分だ。このサブディスプレイには現在の時刻に加え、各種センサーと連動したコンパス、気圧、日の出/日の入りなど、アウトドアシーンに役立つ情報を表示できるのが大きなポイントだ。

カシオ GzOneケータイ G'zOneケータイのアイデンティティーの1つとなるサブディスプレイ。アウトドアに必要な情報をここで一括して見られる

 ただ、都市部に住む筆者にとって、アウトドアシーン向けの機能が必要不可欠かというと……そうでもない。海や山に行くときにだけあったらいいな、というのが正直な感想。付加機能だけに役立つシーンは限られているわけだ。この点、アウトドアシーン以外で使えるような機能がほしかったところだ。

カシオ GzOneケータイ GzOneケータイらしさのあるアウトドア向けの機能だが、筆者の生活環境ではあまり出番がない

 とはいえ、これらの情報を閉じた状態で確認できるのがサブディスプレイの大きなメリットで、側面のボタンで各情報を切り替えて確認できる。なお、このサブディスプレイは常時表示しておくと、消費電力量が増すので注意したい。

 ちなみに、この切り替えボタンはマナーモードのオン/オフにも利用できる。ケータイは機種によっては側面のボタンによる、マナーモードオン/オフの切り替えができないため、側面にある大きなボタンはG'zOne TYPE-XXユーザー、ひいてはケータイユーザーにとって魅力になるポイントの1つだ。

カシオ GzOneケータイ 親指で押さえている部分が切り替えボタン

ケータイのラインアップに華を添えた1台に

 ここまでお伝えしたように、G'zOne TYPE-XXはそのタフネスと、開発陣な並々ならぬこだわりが詰め込まれた1台であり、あまりの完成度の高さから「スマホ全盛の中で生まれた最後のG'zOneケータイかもしれない」と感じた。

 カシオ計算機 技術本部 デザイン開発統轄部 エキスパートデザイナーの井戸透記氏は「2カ月もない中でデザインモックアップを提示するという非常に厳しいものだった」と開発の苦労を公式サイトで語っている。

 そんな中、「通信事業から撤退しているカシオ計算機が、ネーミングとデザインについて関与したから」(井戸氏)こそ、至高のケータイ、G'zOne TYPE-XXが生まれたのだと思う。

 今後の要望をあえて挙げると、懐かしの「かしぺんケータイ」の復活を見てみたい。G'zOne TYPE-XXにもかしぺんデザインが一部にちりばめられており、かしぺんデザインもソフトウェアさえ何とかすれば復活を遂げられるだろう。もちろんハードウェアをどうするのかも問題だが、これからの時代にもとがったものはラインアップに存在してほしいと感じる。

カシオ GzOneケータイ かしぺんケータイをほうふつとさせるキャラクター表示
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