NTT東西「フレッツ光」障害は最大約44.6万契約に影響 NTT東日本エリアでは当初想定より広範囲に

» 2023年04月03日 22時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 既報の通り、4月3日の午前中、東日本電信電話(NTT東日本)と西日本電信電話(NTT西日本)の光インターネットサービス「フレッツ光」(※1)において通信障害が発生した。現在は障害から回復しており、オプションサービスも含めて正常に利用できるようになっている。本件について、両社で合わせて最大約44万6000回線に影響が出たことが判明した。

(※1)フレッツ光の回線を利用した「光コラボレーションサービス」も含む(以下同)

NTT東日本:1都1道1県→1都1道4県に“拡大”

 NTT東日本では当初、本障害が東京都、北海道、神奈川県の1都1道1県で発生したとしていた。しかし、その後の調査によって埼玉県、千葉県、新潟県の一部でも同様の障害が発生していたことが判明した。

 影響を受けた回線数は最大で約35.9万件で、そのうち「ひかり電話」も契約していたのは約18.6万件だった。ひかり電話の契約者については、障害の発生時に緊急通報番号(110/118/119番)への発信も行えない状況だったという。

NTT東日本 NTT東日本エリアでは、当初公表していた1都1道1県に加えて、埼玉県、千葉県、新潟県の一部でも障害が発生していたことが判明

NTT西日本:影響を受けた回線は最大約8.7万回線

 NTT西日本では、大阪府、滋賀県、岐阜県、富山県、石川県、福井県、鳥取県、島根県、徳島県、愛媛県の各一部で障害が発生した。

 影響を受けた回線は最大で約8.7万件で、そのうち光電話も契約していたのは約4.7万件だった。ひかり電話の契約者については、障害の発生時に緊急通報番号を含む電話の発信ができなかったり、つながりづらかった可能性があるという。

NTT西日本 NTT西日本では、1府9県の一部において最大で約8.7万件(うちひかり電話契約者約4.7万件)に影響が出た

障害の原因は? 今後の見通しは?

 今回の障害について、両社共に原因を「該当のエリアの通信回線を収容する通信設備の故障」としている。この「通信設備」は特定メーカーの「加入者収容装置」であることは分かっているが、詳細な原因の調査を進めている所だという。

 なお、電気通信事業法の規定では、以下の通信障害(利用停止または品質低下)を発生させた場合、発生から30日以内に総務省宛に詳細な報告を行わなければならない。

  • 緊急通報に対応する音声伝送役務(※2)
    • 「1時間以上かつ3万契約以上」において影響が出た場合
  • 緊急通報に対応しない音声伝送役務(※3)
    • 「1時間以上かつ10万契約以上」または「2時間以上かつ3万契約以上」において影響が出た場合
  • セルラーLPWA(アンライセンスを含む)
    • 「2時間以上かつ100万契約以上」または「12時間以上かつ3万契約以上」において影響が出た場合
  • 利用者から対価を取らない(≒無料または別役務の付加サービス)で提供されるインターネットサービス
    • 「12時間以上かつ100万契約以上」または「24時間以上かつ10万契約以上」において影響が出た場合
  • その他の電気通信役務
    • 「1時間以上かつ100万契約以上」または「2時間以上かつ3万契約以上」において影響が出た場合

(※2)「市外局番」の割り当てを受ける電話サービスや「070/080/090」の番号で始まる携帯電話サービスなど
(※3)「050」で始まるIP電話サービスなど

 今回の障害は「その他の電気通信役務」と「緊急通報に対応する音声伝送役務」における報告要件を満たしているため、両社は今後、総務省に報告を行うことになる。

報告 通信障害に関して、総務省に報告を行う義務が生じる要件の図。今回は「1」と「5」において要件を満たしているため、総務省への報告義務が発生する(出典:総務省)

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