「HORIE MOBILE」はどんなユーザーにオススメ？ ahamoや他のMVNOと比較してみた：スマホ料金プランの選び方（1/3 ページ）

[シムラボ，ITmedia]

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　エックスモバイルが、3月16日に「HORIE MOBILE」のサービスを開始しました。ホリエモンこと堀江貴文氏とエックスモバイルが運営するMVNOで、堀江氏が情報を配信する有料コンテンツが無料で利用できるなどの独自特典も特徴です。HORIE MOBILEは堀江氏を前面に打ち出して展開していますが、格安SIMのサービスとして他社と比べるとどうなのか、検証してみました。

HORIE MOBILEのお得度を検証する

HORIE MOBILEのサービス概要

　まずはHORIE MOBILEの料金やサービス内容について解説します。

　HORIE MOBILEはNTTドコモ回線を使ったMVNOで、ドコモと同じエリアで4G／5G通信が可能です。現時点で料金プランは1つで、月20GBのデータ通信と5分以内の国内通話かけ放題がついて料金は月額3030円（税込み、以下同）です。通話オプションとして、10分かけ放題の「かけたい放題ライト」（月額550円）と、時間無制限かけ放題の「かけたい放題フル」（月額1650円）が追加できます。

　当月に使いきれずに余ったデータ容量は翌月に繰り越されます。指定のデータ容量を使い切ると速度が最大200kbpsに制限されますが、550円／1GBで容量をチャージすれば制限は解除されます。

　全国にあるエックスモバイルの店舗で各種サポートが受けられるのも特徴です。さらに、「ZATSUDAN」「Voicy」などで堀江氏が配信する有料コンテンツが無料で利用できる、堀江氏から契約者限定のニュースが配信される、堀江氏が運営に参画するパン屋「小麦の奴隷」で月1回カレーパンがもらえる、などの契約者特典もあります。

料金は月20GB＋5分かけ放題で月額3030円。エックスモバイルの店舗でサポートも受けられる

HORIE MOBILEとahamoの比較

　HORIE MOBILEは20GBのデータ通信に5分かけ放題がついたプランですが、これはahamoと同じです。そこで、HORIE MOBILEとahamoはどちらがいいか比較してみました。

料金や通信速度ではahamoに軍配が上がる。HORIE MOBILEは余ったデータが繰り越せるのがメリットだ

　料金はHORIE MOBILEが月額3030円なのに対し、ahamoは2970円です。料金はahamoの方が安いうえに、ahamoは契約時の事務手数料も無料です。

　ahamoは1日中通信速度が速いのも魅力です。筆者も毎月通信速度を測定していますが、昼や朝夕でも速度が遅くならず、1日中快適にデータ通信ができます。

• →格安SIM主要9サービスの通信速度を測定【2023年3月】：2月より遅くなったサービスも

　一方、HORIE MOBILEはドコモの設備を借りて運営するMVNOのため、個人的には通信速度が心配です。公式サイトでは「24時間の平均通信速度は45Mbps。最も混雑する昼時でも平均4Mbpsの高速通信」と記載されています。スマホの通信速度は2〜3Mbpsもあれば多くのことができるので、4Mbps出るのであれば問題ありません。

　しかし、実際にこの速度が出るのかは分かりません。また、サービス開始当初は回線がすいているので速度が速くても、契約者数が増えると遅くなっていく例もあります。HORIE MOBILEの速度も問題ないかもしれませんが、現時点ではahamoの方が安心です。

　また、データ容量を使い切った後の通信制限時の速度にも差があります。HORIE MOBILEは最大200kbpsです。この速度だとLINEやメールのやりとり、音楽ストリーミングの視聴などは問題ありませんが、WebサイトやSNSの画像表示は著しく遅くなりますし、YouTubeなどの動画視聴は難しいでしょう。

　その点、ahamoは通信制限がかかっても最大1Mbpsで通信できます。1Mbps近い速度があればWebサイトやSNSも画像表示がやや遅れる程度で閲覧できますし、標準画質であれば動画も快適に視聴できます。

　一方、HORIE MOBILEにも優れている点があります。まず、HORIE MOBILEは余ったデータ容量を翌月に繰り越せるため、月によるデータ使用量の変動を吸収できます。ahamoは繰り越しができないため、使い切れなかったデータは月末に消滅してしまいます。

　また、ahamoはドコモショップでサポートが受けられるものの、3300円／回の有料サービスで、しかもショップスタッフのサポートを受けながら契約者自身がWebサイトで手続きしなければなりません。一方、HORIE MOBILEは全国のエックスモバイルの店舗で対面サポートが受けられます。3月9日に実施したサービスの発表会などでも大きなメリットとしてアピールされていました。

　ただし、店舗数は約360店舗と、キャリアショップに比べれば数はそれほど多くありません。また、店舗には「公式SHOP」「取扱店」「正規代理店」の3種類がありますが、公式SHOPの数は少なく、東京都内では赤坂の1店舗のみでした（しかも臨時休業中）。取扱店と正規代理店はほとんどが他業種と兼業しており、どの店舗でもドコモショップのような手厚いサポートが受けられるわけではなさそうです。

店舗数は全国に約360とそれほど多いわけではない。カーディーラーや楽器店など他業種との兼業が多く、サポート内容も限られる（画像はエックスモバイル公式サイトより）

　格安SIMサービスとして純粋にahamoとHORIE MOBILEを比較した場合、オススメは断然ahamoです。料金が安く、通信速度は1日中快適です。データ繰り越しはできませんが、容量を使い切った後も最大1Mbpsで通信できるので、少しの我慢で乗り切れるでしょう。HORIE MOBILEは堀江氏の有料コンテンツの利用などの独自特典に価値を感じる方でない限り、契約するメリットは薄いように感じます。

• →ahamoをオススメできる人、できない人【2023年3月】：月10GB以上ならドコモよりお得、海外でも20GB使える

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