iPhoneの折りたたみモデルはいつ登場する? Appleが取得した特許から予測する

» 2023年06月05日 10時56分 公開
[山本竜也ITmedia]

 Googleは5月11日、年次開発者会議Google I/Oにおいて、かねてうわさに挙がっていた同社初の折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」を発表しました。日本でも7月中旬に発売されます。折りたたみスマートフォンとしては、日本でもSamsungのGalaxy Z Fold/Z Flipシリーズや、Motorolaのrazrが販売されていますが、海外では他にもOPPOやXiaomiなども折りたたみ端末をリリースしています。

Pixel Fold Googleが発表した折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」

 IDCのレポートによると、2022年に出荷されたスマートフォンは12億580万台。そのうちの1.2%にあたる1420万台が折りたたみスマートフォンだったとのことです。2023年には、これが50.5%増加の2140万台に達すると見込まれています。この勢いは当面続き、2027年までの年間平均成長率は27.6%になると予想。2027年には、スマートフォンの出荷台数13億7100万台の3.5%となる4810万台が折りたたみスマートフォンになるとの予想です。

折りたたみスマホ IDCのレポートによると、折りたたみスマートフォン市場は2027年には全スマートフォンの3.5%を占める規模に拡大

 こうして折りたたみスマートフォン市場が盛り上がってくると、気になるのがAppleの動向です。Appleは開発中のデバイスについて情報を公にすることはないのでうわさなどから推測するしかないのですが、そのうわさにしても、さまざまな内容が伝えられています。

 折りたたみiPhoneそのものの存在に関しては、Appleの未発表製品にも詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏が開発中であるとツイート。以前は早ければ2024年にもリリースと予想されていましたが、2025年になると修正しています。

 ただ肝心の仕様については、はっきりとはしていません。Kuo氏は、iPhoneではなく折りたたみiPad、あるいはiPadとiPhoneのハイブリッドになる可能性があるとしています。

 なお、もともと折りたたみiPhoneとしてうわさされていたのは、Galaxy Z FoldやPixel Foldのようなタイプではなく、Galaxy Z Flipのような縦折の形状でした。しかしながら、ただでさえ高価なiPhoneのこと。折りたたみiPhoneをリリースしても、既存モデルとの差別化のために高額に設定する必要があるとCCC InsightのアナリストBen Wood氏はCNBCのインタビューで指摘。このため、折りたたみiPhoneではなく、折りたたみiPadを発売するだろうと予想していました。先ほどのKuo氏のツイートも、これと同意見といっていいでしょう。

 Kuo氏は、Appleが9型の折りたたみOLEDを積極的にテストしているともツイートしていましたが、実際のところ、いま出てきている折りたたみiPhone(あるいはiPad)のうわさ話はこの程度しかありません。

 なお、製品に関するうわさはあまり出ていないのですが、Appleが取り組んでいるらしい折りたたみ技術に関する情報は、特許出願という形でいくつか見つかっています。その中で最新のものは、3月に出願された「Self-Retracting Display Device And Techniques For Protecting Screen Using Drop Detection(自動開閉式ディスプレイ装置および落下検知を利用した画面保護技術)」というもの。

 これは簡単に言ってしまうと、落下を検知した場合に自動的にディスプレイを閉じて画面割れを保護しようという技術です。出願文章での説明によると、完全に閉じなくても180度未満の角度になっていれば落下時にディスプレイに直接衝撃が加わることがなく、ある程度保護することは可能とのこと。

Apple Appleは、折りたたみ端末のディスプレイを落下から守る特許を出願

 ただし、特許を出願したからといって、実際にその技術に取り組んでいるとは限りません。この手の特許出願は戦略的特許として取りあえず出願しておくということがよく行われています。今すぐには難しくても、将来的に実現するかもしれない技術をあらかじめ特許として出願しておくことで、他社との差別化や優位性の確保を目的としているわけです。こうした方法はAppleに限らず、多くの企業で行われていることです。

 似たような特許として、Appleは2014年にデバイスの落下を検知して、壊れやすい部品(例えばスマートフォンならディスプレイ)を保護するためにモーターを使用して空中で姿勢を制御するという特許を取得しています。しかし残念なことに、いまのところ実用化されるという話は出てきていないようです。

 結局のところ、Appleが折りたたみiPhoneあるいはiPadをいつリリースするのか、それはどんなデバイスになるのかについては、分からないというのが正直なところです。ただ、現在の情報の少なさから言っても、すぐに出てくるということはなさそうです。Appleは、どちらかというと新技術で業界をリードするのではなく、ある程度普及した技術をブラッシュアップしていくことを得意としています。折りたたみ端末に関しても、市場がある程度大きくなった段階で、より完成度の高い製品を投入してくるのかもしれません。

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