先述の通り、moto g53j 5Gとうり二つといっても過言ではない。moto g53j 5Gとmoto g53y 5Gは外観、仕様ともにほぼ同じで、細かい違いとして、メインメモリの差とロック画面の仕様が挙げられる。
メインメモリはmoto g53j 5Gが8GB、moto g53y 5Gが4GBと少ない。moto g53y 5Gにはロック画面でエンターテインメント、ニュース、スポーツなどの情報コンテンツを楽しめる「Glance」というサービスがある。オープン市場向けのmoto g53j 5GにはこのGlanceがない。
オープン市場向けのスマホユーザーは同社いわく、素のAndroidを好むユーザーが多く、余計な機能やアプリが入らないモデルが多く選ばれる傾向にあるそうだ。“ほぼ同じ仕様”ながらmoto g53y 5Gには使いやすさや利便性を重視した結果、GlanceやY!mobileなどに関連するアプリが付加されたというわけだ。
幅広いユーザーをターゲットとしていることもあり、カラー展開をY!mobile独自カラーのペールピンクを含む3色となっている。
Y!mobileのニュースリリースの表題も「充実した機能を搭載しながらも価格を抑えた5G対応スマホ」とあり、Glanceはその充実した機能の1つとなることがうかがえる。Y!mobileのラインアップの多くはそうした製品がほとんどで、いわゆるコスパ重視のミッドレンジ端末がラインアップを彩る。
そんなY!mobileについてソフトバンクの常務執行役員寺尾洋幸氏は「われわれはY!mobileブランドを利用する人から毎月寄せられる約50万件の意見を分析し、この中の声からわれわれがどのような課題を抱えるのかを見極めた上で課題解決に向けて尽力してきた」と語る。コスパ重視のミッドレンジ端末が多いのも高額なハイエンド端末に手が届かない人を寄せ集めるためで、低中容量を月額2178円から4158円までの料金プランで提供するY!mobileとの親和性もいい。
モトローラ・モビリティ・ジャパンとしてもブランドの認知向上を今後の目標の1つに掲げており、これまで各店舗名にキャリアブランドの名を冠し、販売からサポートまで行う店舗を展開しているソフトバンクのY!mobileにmoto g53y 5Gを販売してもらうことで、“安心感”のイメージ定着につなげたいようだ。Y!mobileとしてmoto g53y 5Gの取り扱いを決めた経緯として、寺尾氏はMotorolaが携帯電話市場の開拓者であることをアピールした。
寺尾氏は「この業界に初めて携わった1990年台に当時の上司から“携帯電話メーカーといえばMotorolaだ”と教わった」と述べた上で、Motorolaが1969年、アポロ11号に搭載された無線機器を手がけたこと、1983年に世界初の商用携帯電話「DynaTAC」シリーズを発表したこと、1989年発売の「MicroTac」で小型軽量化の火付け役となったことなどを挙げ、ユーザーのニーズに沿ったラインアップを強化するY!mobileとの相性の良さや、昨今の円安の影響を受けながらもコスパ重心の端末を投入できるモトローラ・モビリティ・ジャパンの製品だからこそ、取り扱いに至ったとした。
【更新:6月11日21時59分】画像を追加しました
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