「Xperia 1 V」開発陣に聞く“ハイエンドスマホの売り方” 約20万円でもターゲットは明確(4/4 ページ)

» 2023年06月13日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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本体色にパープルがなくなった理由は?

―― ところで、今回、パープルがないという声もありました。この点はいかがですか。

村井氏 確かにパープルは伝統的に継続してきたカラーですが、カメラの新しいたたずまいや、より広いユーザーに対応できる色として、新色のカーキグリーンを入れています。カメラの表現との相性や、ガラスのテクスチャーとの相性が大事だと思ったからです。パープルにはファンがいることは重々分かっていますし、色としてはいい色ですが。

 ちなみに、プラチナシルバーも新色で、これはヘッドフォンの「WH-1000X」シリーズを意識しました。加色手法が違うので、完全に同じ色ではありませんが、同じ世界観で作っています。また、ブラックにはαのカメラの文脈も取り入れながら、製品カテゴリーを横断する形で展開しています。

【訂正:2023年6月13日19時10分 初出時、「WH-1000X」のシリーズ名に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】

Xperia 1 V カラーはブラック、プラチナシルバー、カーキグリーンの3色。パープルは採用していない

取材を終えて:価格高騰の中でラインアップを見直す必要もあるか

 メインで使われる広角のイメージセンサーやデザインを刷新したという意味で、Xperia 1 Vは、Xperia 1 II以来の大きなモデルチェンジといえそうだ。いち早く新型のセンサーを搭載できたのも、スマホのセンサーでシェアの高いソニーならでは。スペックも上がり、ソニーが標ぼうするクリエイターのためのツールとしての実用性も、より高まっている。

 ただ、インタビューでも指摘した通り、写真や動画の編集機能にはまだまだ改善の余地がある。ネットワークにつながった小型のコンピュータとして、撮影からアップロードまでこれ1台で完結するのは、他のデバイスにはないスマートフォンならではの強みだ。Xperiaには、こうした点を磨いていってほしい。

 一方で、ハイエンドモデルの価格は今やフルサイズのαに迫る勢いだ。2年後の下取りを前提にした買い方でも、月々の負担は重い。1、5、10にPROシリーズを加えた4機種で展開しているXperiaだが、1、5と10のギャップが大きい印象もある。ハイエンドモデルが高価格化している中、このフォーメーションを見直す時期が近づいているようにも感じた。

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