モトローラ・モビリティ・ジャパンが縦折りタイプのスマートフォン「motorola razr 40 Ultra」と、スマートフォン「motorola edge 40」を発表した。Amazonや家電量販店などでも7月21日から販売予定だが、国内の通信事業者ではインターネットイニシアティブ(IIJ)が独占販売する。
メーカー直販サイトMOTO STOREでの価格はrazr 40 Ultraが15万5800円(税込み、以下同)、edge 40が6万4800円となる。
同日の発表会には米Motorolaの顧客体験とデザイン責任者であるルーベン・カスターノ氏がオンラインで姿を見せた他、モトローラ・モビリティ・ジャパン社長の松原丈太氏、キャリアプロダクト部でテクニカルアカウントマネージャーを務める見潮充氏、IIJの執行役員でMVNO事業部長の矢吹重雄氏が現地に登壇し、独占販売の理由を語った。
razr 40 ultraは3.6型(1056×1066ピクセル)で144Hz駆動のアウトディスプレイを搭載し、折りたたんだ状態でもアプリや動画などのコンテンツを楽しめるのが大きな特徴だ。プロセッサはSnapdragon 8 Gen1、メインメモリは8GB、内蔵ストレージは256GBを備える他、IP52の防滴・防塵(じん)に対応する。
メインディスプレイは165Hz駆動の6.9型(1080×2640ピクセル)有機ELを搭載する。好きな角度で開けば、例えば、上半分をカメラのプレビュー画面、下半分をシャッター操作が可能なコントローラー画面として、使い分けることが可能だ。Google Meetを開いた状態で90度のくの字に折りたたむと、上半分をプレビュー、下半分を通話開始/終話などの操作に利用できる。
なお、米Motorolaとして初めて縦折りタイプのスマホを投入するわけではなく、2021年に日本市場へ「razr 5G」を投入した経緯がある。前回から2年のタイムラグができてしまったが、以前に比べて降りたたみスマホの存在感が増しており、一定のニーズがあることから、Motorolaとして再びこの市場に挑む。
razrシリーズをさらに振り返ると、薄さで注目を集めたフィーチャーフォン「RAZR V3」や、KDDIがスマホ黎明(れいめい)期に扱っていた「MOTOROLA RAZR IS12M」が挙がる。IS12Mは折りたたむタイプではなかったが、厚さ7.1mmとスリムなボディに「IPX1相当」の撥水性を持つスマホだった。
カスターノ氏はMotorolaを「折りたたみ端末のフォームファクタを考案した存在である」と紹介し、「初代のRAZR V3はポップカルチャーのアイコン、ファッションステートメント、業界の先駆者となり、業界に革命を起こした」と振り返る。さらに「その後も世界中の市場で常識を覆し、最初に折りたたみスマホを投入した先駆者である」とアピールしている。
加えて、この市場で戦っていけるだけのノウハウがある、との考えを示している。その根拠に「折りたたみ式フォームファクタを持つモトローラは、ユーザーがコンテンツを要求する、探求する、消費するといったことが徹底的にできるよう取り組んでいること」「消費者が何を好み、折りたたみ端末に何を求めるのか、といったデータを多く保有していること」を挙げる。
razr 40 UltraはこれまでMotorolaが集めてきた折りたたみ端末に関するデータや、フィーチャーフォンで培ってきたノウハウをつぎ込んだ端末だという。
その結果として、折りたたんだ状態でもさまざまな操作を行えるよう、大きなアウトディスプレイを備える。閉じた状態でもWebブラウザやカレンダーを閲覧したり、ゲームをしたり、動画を視聴したりできる。インナーディスプレイで開いていたアプリは、閉じた状態のアウトディスプレイでも使えるため、それまで行っていた作業を続ける(※1)ことが可能だ。
(※1)全てのアプリの動作を保証するものではない
また、折りたたみスマホながら約188gと200gを切る重量を実現した点もアピールされている。
見潮氏も「アンケートで、より大きなディスプレイで操作したり、コンテンツを楽しんだりしたい人が多いことが分かった」としており、市場の分析データや、ユーザーの声を参考にしながら、製品作りに取り組んでいる姿勢がうかがえる。
razr 40 Ultraと同時に発表されたedge 40は、6.55型(1080×2400ピクセル)でアスペクト比が20:9の有機ELディスプレイを搭載する。こちらは折りたためないタイプのスマホだが、両サイドが湾曲し、角に丸みのあるデザインとなっており、edgeの名にふさわしい見た目だ。厚さ7.58mmというスリムなボディーも特徴で、丸みを帯びたedgeと相まって持ちやすい。
プロセッサはMediaTekのDimensity 8020、メインメモリは8GB、内蔵ストレージは256GBを備え、ミッドレンジスマホとして位置付けられる。走ったり歩いたりしながら撮影する際、水平を保ったまま被写体を追尾できる、水平ロック機能も搭載する。
razr 40 UltraにはないおサイフケータイやIP68等級の防水性能を持つのも売りの1つで、日本市場に合わせた仕様とすべく、おサイフケータイや防水対応を果たしたという。松原社長は「日本のユーザーから得たフィードバックを生かしたモデル。日本人の感性に訴えるような製品を提供できたと思う」とコメントした上で、「日本市場において埋められていなかった空白(埋められていなかったレンジ)をカバー」(松原社長)でき、あらゆるニーズに応えられるとの考えを示した。
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