「iPhone 15(仮)」はUSB Type-C搭載が確実か 欧州の法案は関係なし?次期iPhoneはどうなる?

» 2023年08月18日 10時00分 公開
[山本竜也ITmedia]

 9月12日〜13日に発表されるのではないかとうわさされている「iPhone 15(仮)」。ネット上では既にさまざまな情報が飛び交っており、iPhone 15(仮)シリーズの輪郭が大分鮮明になりつつあります。といっても、これらの情報はあくまでも非公式なもの。Apple自身がこうした情報を認めることはないので、答え合わせは発表イベントまで待つ必要があります。

 ただ、そうした情報の中には、確度が高いと思われるものもあります。iPhone 15(仮)シリーズがLightningを廃止し、USB Type-Cを採用するというものその1つです。

 EUでは2022年10月、モバイル機器にUSB Type-Cポートの採用を義務付ける法案を可決しました。2024年末までに、EU内で販売される全てのスマートフォン、タブレット、カメラ、ゲーム機などは充電ポートとしてUSB Type-Cを備える必要があるというもので、2026年には最大100WまでのノートPCにも拡大されます。

 これを受けて、遅くとも2024年に発売されるiPhoneには、Lightningの代わりにUSB Type-Cが採用されるのではと予想されていましたが、2024年を待たずに今年発売のiPhoneからUSB Type-Cが採用されるようです。

USB Type-C それぞれ左がLightning、右がUSB Type-C

 EU対応のためにUSB Type-Cを採用すると見えてしまいますが、実際のところiPhoneがUSB Type-Cを採用するという話は数年前から出ていたものです。既にiPadではLightningが廃止され、USB Type-Cに統一されているので、EUの件がなかったとしても、iPhoneがUSB Type-Cになるのは時間の問題だったのでしょう。

 このUSB Type-Cに関して、Appleの情報に詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏は2022年11月に、ハイエンドモデル(15 Proと15Pro Max)のみ高速転送に対応し、標準モデル(15と15 Plus)はLightningと同じUSB 2.0にとどまるとの予想を示していました。

 わざわざ仕様を分ける必要があるのかという気もしますが、2022年10月に発売されたiPad(第10世代)のUSB Type-Cは、USB 2.0で転送速度はLightningと同じ480Mbps。なお、iPad mini(第6世代)はUSB 3.1 Gen 1、iPad Air(第5世代)はUSB 3.1 Gen 2を採用しています。

USB Type-C iPad(第10世代)のUSB Type-Cは、USB 2.0を採用している(Appleの製品ページより
USB Type-C iPadは既にUSB Type-Cを採用している

 また、iPhoneがUSB Type-Cを採用するとしても、Lightningと同じくMFi(Made For iPhone)認証をかけ、利用できるサードパーティー製品を製造するのではないかとのうわさが流れていましたが、これに対してEU側は、共通充電器の要件を満たさないデバイスはEU市場では許可されないとする書簡をAppleに送ったと独メディアのZeit Onlineが報じています。同内容は、既に3月の会合でも口頭でAppleに伝えていたとのことです。

 iPhone 15(仮)シリーズのポートがどうなるのか、正式発表までは確かなことはいえません。ただ、USB Type-CではUSB 2.0、3.1、Thunderboltなど同じ端子形状の規格違いが混在しており、ケーブルに関しても60Wまで240W対応、映像出力には非対応などカオスな状況です。このため、ここにMFiが加わり、より混沌(こんとん)とした状況に陥らないことを祈るばかりです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年