もう少し踏み込んで、端末の“売れ行き”や来客の反応についても聞いてみた。
確かにお客さまは戻ってきたのですが、売れ行きが回復したかというと、何ともいえない状況です。もちろん、コロナ禍の閑古鳥が鳴いていた頃と比べれば十分に売れてはいるんですが、前年同月比、あるいは前月比でプラスかというと、そんなこともありません。
時期が時期だけ、やはり「新しいiPhone」について尋ねてくるお客さまが多いです。もちろん、特価販売中のAndroidスマホにも興味が集まるんですけど、「iPhoneでこういうの(特価商品)はないのか?」と聞かれることもあります。
新しいiPhoneが出る直前ということでそれ気になるという反面、「今買えるもので安いやつが欲しい」というニーズもそれなりに多いです。
現行iPhoneを特価品として販売していたこともあって、確かに以前の8月は“書き入れ時”でした。しかし、法改正の影響もあるのですが、新型の発売直前でも、現行モデルをあまり値引きできなくなりました。なので、かつてと比べると「売れてない」のは確かだと思います。
ただ、あくまでも昔と比べてであって、全く売れていないわけではありません。中には「今のやつが値下げされないってことは、今度のやつはもっと高くなる可能性あるよね?」と、現行のiPhoneを購入されるお客さまもいらっしゃいます。値下げを待たずに、今あるiPhoneを買っていくのは新しい流れかもしれません。
「次のiPhone、どうなるの?」という質問は、この時期の定番ですよね。たとえ知っていても答えられないですが、実際に何も知らないので「わからないんですよ〜」と答えざるを得ません。毎年のこととはいえ、ちょっと疲れます(笑)。
皆さん買い替える気はあれど、この時期にはいろいろなうわさが多く出回るので、迷いの気持ちも強いようです。そういうお客さまは「価格推し」も通じないので、なかなか買ってはもらえないですね。
来客こそ戻ってきてはいるものの、全体的には「思ったほどは売れていない」という状況のようだ。
現在、総務省では「回線契約と結び付かない割引」が問題視され、一定の制約を設ける方針で話が進んでいる。そのこともあってか、一時期と比べると店頭における旧製品の値引きキャンペーンは“乏しく”なっている。
一般のユーザーからすれば「新しいものが出る(出た)から古いものは安くなるはず」と考えて期待する一方で、店頭でそこまで“お買い得”を感じられることもなければ「新製品を待とう」と考える――そんなユーザーも多いようだ。
インタビュー当時はまだ未発表だった新型iPhoneについても話を聞いた。
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