例年、9月に発売される「新型iPhone」ですが、今年(2023年)も9月22日に発売された。
8月はかつて、携帯電話販売店にとって一番“暇”な月といっても過言ではなかった。しかし、iPhoneが9月に発表/発売されるようになってからは、値下げされる旧モデルを求める人や、新モデルに関する情報を得ようと相談に来る人でにぎわうようになった。
電気通信事業法の改正やコロナ禍によって、2020〜2022年の携帯電話販売店はいろいろと苦しんできた(参考記事1/2)。それでも2022年ともなると、わずかながら明るい兆しも見えてきている(参考記事)。
そして2023年の「iPhone“前”商戦」はどうだったのか……?
8月、東京都内や関東地方に所在する複数の大手家電量販店に足を運んだ。2022年の同月と比べると、どの店舗も来客は確実に増えているように感じた。特に休日は、端末を前に店員(あるいは販売スタッフ)と相談する人や、窓口で契約(機種購入)の手続きをする人も少なくない。
一部の大手キャリアは、オンラインショップにおいて事務手数料を無料としている。普通に考えればオンラインショップで買った方が“お得”なように思えるが、読者の皆さんが思っている以上に店舗でスマートフォンを契約する人は多い。
……と、話が少しそれそうになったが、今回は家電量販店において、各キャリアの販売員として勤務している複数のスタッフ(※1)に、2023年8月の様子を聞いてみることにした。
(※1)家電量販店(特に大規模店舗)の携帯電話コーナーでは、大手キャリア、あるいはその販売代理店からの出向スタッフが接客と契約実務を担当していることが多い。端末購入時なら、最後の会計時にようやく家電量販店の店員と出会うというケースも珍しくない
来客は(2022年より)増えました。コロナ禍であっても、1年目(2020年)、2年目(2021)年と来客は増えていましたが、最近は「コロナ前」と同じだけのお客さまが来ているという印象です。
2023年の夏に限った話をすると、旅行で東京に来たという人や、海外からいらっしゃた人も増えています。ある意味で、やっと「いつも通り」になったのではないでしょうか。
機種変更を受け付けする際に、お客さまの端末利用年数を確認すると「4年目」になっている人が増えているような気がします。4年目ということは、直近の機種変更は2019年。(電気通信)事業法の改正が行われる前に機種変更をしたお客さまが、ずっと同じ端末を使っていたということになります。よく考えれば、コロナ禍前で“最後に”端末が売れた頃合いでもあるんですよね……。
コロナ禍では在宅が増えてスマホの出番も少なくなったという人も少なくないと思います。それが、外に出るようになったことをきっかけに「取りあえずスマホ(携帯電話)コーナーに行ってみるか」とか、「外に出るに出られなかったけれど、そろそろ買い換えないと」といった具合で、一気に動き始めたのかもしれません。
さすがに、具体的な販売数を聞くことはできなかった。しかし、来客数が大きく増えたことは事実で、そこから端末を販売するチャンスも増えたという実感はあるようだ。
そして、肝心のiPhoneの売れ行きはどうだったのだろうか……?
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