Googleがスマートウォッチ「Pixel Watch 2」を10月12日に発売した。Google ストア価格はLTEモデルが5万9800円(税込み、以下同)、Wi-Fiモデルが5万1800円だ。見た目は初代からほとんど変わらないが、どのような進化を遂げたのかをチェックした。
Pixel Watch 2は拍計測の精度が向上するなど細かいアップデートはあったが、ここでは初代で気になっていた対応アプリが少ない点、バッテリーを付属のPixel Watch専用充電器でしか充電できない点、バッテリーが長時間駆動しない点などに着目して、初代から改善されたのかを確認したい。
まずはPixel Watch 2がどんなアプリに対応するのかを確認したい。Googleによると、Watch 2では発売時点から「Gmail」「Googleカレンダー」に対応する。ただ、実は初代でもPlayストアからダウンロードして使えるようになっている。
Gmailはスマートフォンやタブレットなどからメールを作成したり、受信したメールの内容を確認し、送信元に返信したりできるが、Pixel Watch 2だとメールの受信、画面スクロールによる内容の確認、相手への返信が行える。ただ、画面が丸形であるがゆえに見づらい。四隅の文字は欠けてしまうし、もとの段組みも崩れたような形で表示されている。
Google純正キーボードのGboardによる文字入力や音声入力をサポートしているが、これもサイズの小さいディスプレイでこなすのは至難の業だ。ここは音声入力の方が楽だろう。ここは割り切ってPixel Watch 2ではメール内容の確認、スマートフォンでは返信というように使い分けた方がよさそうだ。
Googleカレンダーはスマートフォンだと予定の作成や予定日時(開始時刻と終了時刻)の変更などが行えるが、Pixel Watch 2だとそこまでできない。できることとしてはせいぜい通知を受けたり、予定内容の確認をしたりできる程度。予定日時や通知のタイミングの変更は行えない。
GoogleカレンダーとGmailの他に違いがあるのか。目立ったところでは継続的皮膚電気活動(cEDA)センサーの有無が挙がる。このセンサーは初代にはない。
Pixel Watch 2は継続的皮膚電気活動(cEDA)センサーを搭載したFitbitの身体反応機能を利用できる。Googleのプロダクト マネージャー、パラス・ウナドゥカット(Paras Unadkat)氏によると、心拍数、心拍変動、皮膚温からの情報を取得した機械学習アルゴリズムで、ストレスの兆候を特定できるという。その中に興奮状態や心理的なストレスが含まれると、身体反応機能で通知を送信。通知の内容と自分の感情を照らし合わせ、深呼吸が必要かどうかなどを判断するのに役立つという。
短期間の試用のため実際の通知やストレスチェックは行えなかったが、心理的な負担を抱えやすいユーザーにとっていい機能だろう。
筆者が最も気にしていたのが充電器だ。初代は内蔵バッテリーを付属のPixel Watch専用充電器でしか充電できなかったが、残念ながらPixel Watch 2でもこの点の改善はない。しかも初代とPixel Watch 2の充電器は異なり、初代の充電器をPixel Watch 2に流用することはできない。
これだけ世の中がUSB Type-C化している中で、まだ専用充電器を持ち歩かなければならない点にうんざりする。なるべくメーカーが充電ケーブルや充電器を統一し、消費者が負担なくデジタルデバイスを利用できるようにしてほしい。この点はPixel Watch 2に限ったことではなく、他のスマートウォッチにもいえることだが。
一方でうれしい点が充電器の単体販売。Pixel Watch 2の充電器を紛失してしまったり、充電器が故障してしまったりしても、Google ストアで「Google Pixel Watch 2 USB-C 急速充電ケーブル」(4800円)を買い足せばいい。
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