―― この時期にラインアップ拡大を図ろうと思ったのはなぜでしょうか。理由を教えてください。
河野氏 売り上げは、無理をすればいくらでも立てられます。ただ、ビジネスは、しっかり利益を出さなければならないですし、なおかつ利益が出たら社員にも還元しなければなりません。過去2年、はやり病の影響もあり、意図的にかなりポートフォリオを絞っていました。ただ、それだとお客さまに不安を与えてしまいますし、メディアの方々にも元気がないと思われてしまう。経営状況が悪くないことは逐一社員に伝えてはいましたが、それでも端末が出ないと不安になります。取引先のお客さまにも言われてしまう。それもあり、2024年度は端末ラインアップを増やすのと同時に、魅力的な端末を出す方向にかじを切りたいと考えました。
―― GoogleがPixelで7年アップデートを打ち出しました。他メーカーも含め、去年(2022年)ぐらいから積極的にアップデートの期間を公約するようになっています。OPPOもグローバルではメジャーアップデート最大4年といったポリシーですが、日本ではいかがですか。
河野氏 これはキャリアとの関係もあり、どのメーカーも言い出しづらいのだと思います。ただ、長年やっていてキャリアとの協力関係があるところは、それができています。私どもも、近いところまではやりたいと思っています。また、SIMフリーに関しては、グローバル版と同基準でやっていきます。
―― ただ、Reno Aにグローバル版はないですよね(笑)。
河野氏 はい。これはキャリア版もあるので、どこまでやるかを握った上でやっていきます。アップデートはOSとチップセット、この連携が非常に大事です。われわれは、まずGoogleが将来に渡ってサポートするチップセットを選ぶことが大事で、なおかつそれを選んだ後のGoogleとの関係も大事になります。ミッドレンジモデルでどのメーカーも似たようなチップセットを採用しているのは、そういう部分もあります。
ソフトバンクの5G対応モデルとしてReno3 5Gが投入されてから、早3年。機種変更を考えるユーザーも、徐々に増えてくる。数年間お休みしていたミッドハイのスマホだが、コロナ禍も終息した今は。ラインアップを拡大する絶好のタイミングといえる。ソフトバンクが発売当初から実質価格を大幅に引き下げたことからも、その注力具合が伺える。ミッドレンジモデルでは満足できないユーザーにとって、いい選択肢が増えたといえそうだ。
ラインアップにミッドハイを加え、3階層に拡大したOPPOだが、2024年はもう1機種追加される可能性もあるという。ミドルレンジモデルの層を厚くするのか、はたまたハイエンドモデルが久々に投入されるのかは未知数だが、手ごろな価格の端末だけだと、メーカーとしての色を出しづらくなる。特にOPPOは、カメラやフォルダブルで技術力を発揮しているだけに、コスパだけのイメージがつくのは少々もったいない。キャリアの採用状況に左右される側面はあるが、ハイエンドモデルの投入にも期待したいところだ。
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