折りたたみスマホ「motorola razr 40s」が“実質1万円以下”の衝撃 不安要素は法改正か石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2023年11月25日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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 モトローラ・モビリティ・ジャパンは、フォルダブルスマートフォンの最新モデル「motorola razr 40」「motorola razr 40s」(以下、razr 40/razr 40s)を日本に導入する。

 2機種は、前者がオープンマーケット版、後者がソフトバンク版という位置付けになり、ハードウェアは同じ。ソフトバンク版は、ロック画面に各種コンテンツを表示する「Glance」に対応するなど、ソフトウェアで差がつけられている。ベースモデルは2機種とも海外で展開しているrazr 40だが、日本版はFeliCaを搭載しており、おサイフケータイが利用できる。

razr 40 廉価フォルダブルスマホのrazr 40/40sを発表したモトローラ。左は、同社社長の松原氏、右はソフトバンクの郷司氏

 razr 40は、フォルダブルスマホのミッドレンジモデルという位置付け。8月に発売した「razr 40 ultra」よりも機能を抑えた分、価格を下げているのが特徴だ。海外では8万円前後で販売されている国もある。カスタマイズが加わっている分、日本版はやや高めの設定だが、razr 40sを取り扱うソフトバンクやMVNOとしてrazr 40を独占販売するIIJmioは、発売当初から大幅な割引を展開する。異例の安さで販売されるrazr 40/40sは、フォルダブルスマホ拡大の起爆剤になるのか。そのインパクトを考察した。

目指したのはフォルダブルの民主化、スペックを抑えて12万円台に

 モトローラは、エントリーモデルの「e」、ミッドレンジの「g」、ミッドハイの「edge」に加え、プレミアムモデルとしてフォルダブルスマホの「razr」をラインアップに据えている。一般的なスマホメーカーは、“王道”のフラグシップモデルとは別ラインとしてフォルダブルスマホを展開していることが多いが、この思い切りのよさはモトローラならではだ。日本では、2021年に「razr 5G」をソフトバンクとオープンマーケットで販売。2年強のブランクはあったが、8月にはrazr 40/40sの上位モデルに位置付けられるrazr 40 ultraを発売したばかりだ。

razr 40 3.6型の大型アウトディスプレイを搭載したrazr 40 ultraは、8月発売。立て続けにフォルダブルスマホを日本に投入している

 各社とも、フラグシップモデルを細分化し、スペックや価格帯で分けた複数のモデルを展開しているが、モトローラのrazrシリーズも例外ではない。最上位モデルのrazr 40 ultraに対し、razr 40/40sのスペックは抑えめだ。プロセッサには、ミッドレンジ向けの「Snapdragon 7 Gen 1」を採用。プレミアムモデルという位置付けではあるが、メモリ(RAM)も8GBで、折りたためるギミック以外の仕様はミッドレンジモデルに近い。

razr 40
razr 40 razr 40/40sは、プレミアムモデルの中の廉価モデルという位置付け。スペックはミッドハイに近い

 また、razr 40 ultraでは、同じくフォルダブルスマホに注力するサムスン電子を出し抜く形でアウトディスプレイを3.6型まで大型化した一方で、razr 40/40sは、1.5型にとどまる。アウトディスプレイは2021年に発売されたrazr 5Gでも2.7型あったため、単純な比較では、過去モデルよりスペックが落ちている。この部分は、コストとして大胆にそぎ落とした機能といえる。ただし、4200mAhのバッテリー容量や防水・防塵(じん)対応などは、razr 5Gにはなかった仕様。razr 40 ultraですら非対応だったおサイフケータイにも対応している。

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razr 40 アプリを直接アウトディスプレイで動かせたrazr 40 ultraに対し、razr 40/40sでできることは限定されている

 アウトディスプレイが小型化したことで、閉じたままできる操作が減っているのは残念なポイントだが、通知の確認は可能。アプリと連携したパネルを設定でき、ボイスレコーダーの録音、停止やタイマーの起動、天気予報の表示といった限定的な機能は利用できる。また、写真撮影時に本体を立てかけておいてシャッターを切ったり、半開きのまま画面下半分を操作パネルにできたりと、フォルダブルスマホとしての基本的な特徴は押さえている。

 「フォルダブルスマホ=ハイエンドモデル」という図式が成り立つこともあり、一般的にフォルダブルスマホは高額だ。razr 40 ultraも、モトローラ公式オンラインストアでの価格は15万5800円(税込み、以下同)。「Galaxy Z Fold」シリーズや「Pixel Fold」のように、開くと大画面になる横折りモデルの場合、20万円を大きく超えることもある。これに対し、razr 40の公式価格は12万5800円。スペックを落としている分、同じモトローラのrazr 40 ultraよりちょうど3万円安い。

razr 40 モトローラ公式オンラインストアでは、razr 40 ultraより3万円安い12万5800円で販売される

 約8万円で販売される海外版ほどのインパクトはないが、日本版はおサイフケータイに対応している上に、「ソフトバンクの厳しいクライテリア(基準)に合わせるためのエンジニアリングワークがあり、ハードウェア的に変更を加えている」(モトローラ・モビリティ・ジャパン 代表取締役社長 松原丈太氏)。スペックが異なるため横並びでの評価するのは難しいものの、日本で販売されるフォルダブルスマホの現行モデルの中では、比較的手に取りやすい価格設定といえる。

 目指したのは、「テクノロジーの民主化」(同)だ。「フォルダブルスマホが気になるという人がいても、他社にも弊社にもプレミアム価格帯の製品しかなく、好きな人しか触ることができなかった」。実際、razr 40/40s登場以前は、サムスン電子の「Galaxy Z Flip5」が最安だったが、本体価格はau版で15万4300円。ドコモ版は16万820円にも上る。下取り込みの割賦で購入すれば負担感は軽減されるとはいえ、やはり気軽には手を出しづらい。松原氏が語っていたように、スマホのスペックではなく、フォルダブルというフォームファクターそのものに興味のある人にとって、razr 40/40sはいい選択肢になり得る。

razr 40 ハイエンドなモデルが中心のフォルダブルスマホは、価格が高止まりしている。razr 40/40sは、他社より一段安い価格をつけ、普及を目指す
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