インドやアフリカなど新興国に特化したメーカーの中国Infinixは、姉妹メーカーであるTecno、Itelとともに2023年第3四半期は世界のスマートフォン出荷台数で堂々の5位に入っています。
Canalysの調査では、Samsung、Apple、Xiaomiに次ぐ4位OPPOとの出荷量の差はわずか40万台で、スマートフォンの販売台数が1年の中で最も増える第4四半期には単独で4位に入る可能性も出てきました。そのInfinixの最新5Gスマートフォンが「Zero 30 5G」です。
Zero 30 5GはInfinixのフラグシップモデルですが、新興国向けということもあり、プロセッサはミドルハイレンジ向けのDimensity 8020を搭載。ディスプレイは角を落して持ちやすくしたデザインで6.78型(1080×2400ピクセル)。リフレッシュレートは144Hzと高く、ゲームユーザーもターゲットにしているようです。さらにインカメラは5000万画素とかなりの高画質。セルフィーにも向いています。
メタリック調カラーの背面は高級感も備えています。本体のカラバリはこのGolden Hourに加え、Rome Green、Fantasy Purpleの3色あるとのこと。
本体を持ってみると造りはしっかりとしており、185gと軽量ということもあって持ちやすさを感じます。大手メーカーの同クラスの製品と比べても全くそん色のない仕上げであり、先進国でも通用する品質だと感じました。
本体の奥行きは7.9mmと薄く、5000mAhのバッテリーに68Wの急速充電も備えています。本体上部の「Powered by Infinix」の文字も自社ブランドに対する自信の現れでしょう。東南アジアの一部の国でも販売されていますが人気は高いそうです。
InfinixはAndorid 13ベースで自社開発のXOS 13を搭載しています。このモデルはメモリを12GB搭載していますが256GBのストレージから9GBをメモリ領域に割り当て、最大21GBのメモリを使用可能。この機能はOSではなく、MediaTekのプロセッサが最近売りにしているものです。
メインカメラは1億800万画素、超広角カメラも1300万画素と画素数は高く、新興国向けとしてはちょっとぜいたくな仕様になっています。
カメラは多彩なモードを搭載しています。写真を「Photo」ではなく「AICAM」とするのはTecno同様、カメラのAI性能の高さをアピールしているのでしょう。カメラ性能で特筆すべきは動画撮影で、Vlogに向いたショートビデオモードも搭載。またメインカメラだけではなく、インカメラも4K 60fpsでの撮影ができます。高画質・高フレームレートで撮影しておけば編集時に一部を拡大して切り取っても画質の劣化は最小限で済みます。ショートムービーというトレンドに合わせたカメラ設計になっているのです。
Zero 30 5Gの価格は4万円台とのことでコスパも悪くありません。Infinix、Tecno、Itelはアフリカで圧倒的に強く、Zero 30 5Gを買った各国のインフルエンサーがこぞって高画質なショートムービーをSNSにアップしはじめるでしょう。先進国では知られていないスマートフォンが、インドやアフリカで憧れの製品になる時代になっているのです。
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