今年のCES 2024は「AI祭」につきる――でもそのAI、今までと何が違うのか石川温のスマホ業界新聞

» 2024年01月21日 11時30分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 CES 2024を一言で振り返るならば「AI祭」に尽きるだろう。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2024年1月13日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 毎年、年始に開催されるCESは、その年のテックトレンドを占うイベントとなっており、最近では「IoT」や「スマートホーム」などがテーマとなっていた。しかし、どちらも先細りというか、本格的に普及しているところまでは至っていない感がある。確かに、過去のCESを振り返って見ると、「今年のテックトレンドはこれだ」といっても、実際、ユーザーに定着することはなく、肩透かしに終わるというのを毎年、繰り返しているだけだったりする。

 今年の「AI祭」に関しても、例えばフォルクスワーゲンがChatGPTに対応したカーナビを発表していたが、やれることといえば「周辺のレストラン検索」や「ちょっと寒い」と声をかけたらエアコンの温度を上げてくれるといった「別にChatGPTじゃなくてもいいんじゃない?」というレベルだったりする。

 また、サムスン電子は「AI for ALL」というキャッチコピーで、あらゆる家電製品がAI対応となり、冷蔵庫はAIが載ったカメラにより、庫内に何があるか、賞味期限がわかるようになる。さらにAIに対応したパーソナルロボットが家じゅうを走り回るといった発表を行っていた。

 しかし、CESを10年以上、取材してきた身からすると「10年前から同じ事を言っていないか」というツッコミを入れたくなってきてしまうのだ。

特にテレビは典型的で「AIが載ったチップで処理するので画質が上がる」としているが、そんなこと10年前からやっていたのではないか。

 家電メーカーとして、新たなテクノロジーによる提案を見せているようには感じるのだが、結局、トレンドワードを追うだけで、IoTやスマートホーム時代とやっていることは何一つ変わっていない。

 「AI」というマジックワードでプレゼンすることで、世間のトレンドに載っているという「マーケティング」に過ぎなかったりするのだ。

ただ、デバイス上で生成系AI処理を施すことで、全く新しい使い方を提案してくれるところもあった。実際に使ってみると、「こりゃ、AIってスゴイ」と感じるデバイスもこれから出現するのは間違いなかったりする。

 単にAIといっても、十把一絡げで、本質を見誤ることがありそうな気がしてならない。

 去年からAIを冠したデバイスやサービスが山ほど出ており、CESの影響を受けて、今年もAIを語るモノというのが雨後の竹の子のように出てくるだろう。

 そのなかで「本当にいままでのAIと違うのか。何が画期的なのか」を見極めていく必要がありそうだ。CESが過去に繰り返してきた「トレンドワードは作るけど、定着しない」という失敗を繰り返す危険性もゼロではないはずだ。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  3. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  4. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  5. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  6. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  7. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  8. Qualcommのウェアラブル新チップが「Elite」を冠する理由 最新モデム「X105」は衛星通信100Mbpsへ (2026年03月11日)
  9. 「えっ、地震?」──LINEが安否確認テスト 1日限定で 「紛らわしい」との声も (2026年03月10日)
  10. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年