VRヘッドセットとARグラスは何が違う? メリットとデメリットを解説

» 2024年01月29日 09時54分 公開
[山本竜也ITmedia]

 2023年はPlayStation VR2やMeta Quest 3などのVRヘッドセット、そしてXREAL Air 2やVITURE ONE、Rokid MaxなどのARグラスが発売されるなど、VRやAR関連でもにぎやかな年となりました。そして2024年にはAppleの複合現実ヘッドセットApple Vision Proが米国で発売され、VR/AR/MR関連はますます盛り上がりを見せそうです。

 そんなVRヘッドセットやARグラス、使っていない人からすると似たようなものという印象を持つかもしれませんが、実は機能面ではかなり違います。そこで今回は、VRヘッドセットとARグラスの違い、それぞれ何ができるのかについて簡単に紹介したいと思います。

没入感が高いVRヘッドセットは、スタンドアロンで使える

 まずはVRヘッドセットから。2023年はMeta Quest 3が大きな話題となりましたが、VRヘッドセットの代表格といってもいいでしょう。MetaはQuest 3をVRヘッドとは呼んでおらず、MR(複合現実)ヘッドセットだとしています。ただ、大きなくくりではVRヘッドセットの範囲でしょう。

Meta Quest 3 2023年に大きな話題となった「Meta Quest 3」

 ほとんどの製品は、PCなどを接続する必要がなくスタンドアロンで利用できます。もちろん、有線・無線でPCに接続しても利用可能です。

 VRヘッドセットは、装着者の視界を完全に覆ってしまうのが特徴です。目に見えるものは全てディスプレイの映像ということになります。このため、空間の広がりを感じやすく、没入感が高めです。基本的に装着中は肉眼で外の様子は確認できませんが、ヘッドセットに搭載のカメラで外部の様子を確認できるパススルー対応の機種も増えてきました。とくに、Meta Quest 3はこのパススルーが強化されており、カラー映像に対応しています。現実の風景にゲーム画面や仮想ウィンドウなどを重ねて表示でき、これがMRを名乗るゆえんでもあります。

Meta Quest 3 VRヘッドセットは、視界全てが「映像」となるので没入感を感じやすい

 Meta Quest 3を含め、VRヘッドセットのパススルーはカメラを通しての画像なので、場所によってはまだ若干映像がゆがむなどの問題も残っていますが、反面、画像処理により風景と映像をなじませやすく、これを生かしたゲームもリリースされています。また、ほとんどの製品が6DoFに対応。インサイドアウトあるいはアウトサイドイン方式でのトラッキングに対応しており、部屋の中を動き回ってゲームを楽しむことも可能です。

サングラスのレンズで映像を楽しめるARグラス

 ARグラスは、ちょっと大きめのサングラスといった製品。サングラスのレンズの裏に映像が映るディスプレイを備えており、目の前に映像を表示します。このディスプレイ部もプリズムになっており、そのまま肉眼で周囲の様子を見ることができます。

XREAL Air 2 Pro ARグラスのXREAL Air 2 Pro。少し大きめのサングラスといった外観

 映像が見やすいよう、周囲を暗くするためにサングラスになっているのですが、それでも明るい屋外などでは映像が見えにくくなってしまいます。このため、ほとんどの製品はメガネに後付けで装着できるカバーが付属しています。周りは見えなくなりますが、映像に没入することが可能です。

 ただ、映像が目の前に表示されますが、VRヘッドセットよりも視野角が狭いので想像しているよりも大画面感は薄いです。例えば、Meta Quest3の視野角は水平110度、XREAL Air 2は46度。目の前にある大画面というよりも、目の前にある窓から奥にある画面をのぞき込んでいるという感覚です。

 また、VRヘッドセットとは違いスタンドアロンでは利用できず、スマートフォンやPCと接続して使います。簡単に言ってしまうと、メガネ型のモバイルディスプレイです。スタンドアロン的な利用もできるよう、別売りとなりますがXREALであればBeam、RokidならRokid Stationなど、スマートフォン替わりのデバイスも用意されています。

XREAL Beam 持ち運びしやすく、移動中にも使いやすいXREALのBeam

 専用のゲームやアプリを使うのではなく、目の前のディスプレイでスマートフォンやPCで再生している動画を楽しむ、サブディスプレイとして利用するという使い方がメインです。コンパクトで持ち運びも苦にならないので、新幹線や飛行機などでも使いやすくなっています。

目的に合わせて使い分けをしよう

 スマートフォンやPC、Nintendo Switchなどを大画面で楽しみたい、出先でも手軽に使いたいというのなら、ARグラスがお勧めです。もっと没入感が欲しい、VRゲームをプレイしたいというのならVRヘッドセットを選ぶことになります。

 なお、Meta Questの場合、スマートフォンの画面をMeta Quest内に表示する手軽な方法はなさそうですが、PCの画面なら「Virtual Desktop」や「Immersed」などのアプリを使えばMeta QuestをPCのディスプレイとして利用できます。Meta Quest向けのNetflixやAmazonプライムビデオのアプリもあるので、ARグラスでできることはVRヘッドセットでも大体は実現できます。

 価格的にはARグラスの方が若干安いですが、全体的な機能としてはVRヘッドセットが上。あとは持ち運んで出先でも利用するかどうかを考えて選ぶといいかもしれません。

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