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「ローソンでドコモのd払い、dポイントを利用してもらえるように努力していく」 NTT島田社長がコメント

» 2024年02月08日 14時45分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 「ローソンで引き続きd払い、dポイントを利用してもらえるように努力していく」──。NTTの島田明社長は2月8日に開催した決算会見でこのように述べた。三菱商事、KDDI、ローソンによる資本業務提携契約の締結を受けたコメントとなる。

ドコモ NTT d払い dポイント NTTの島田明社長

 三菱商事、KDDI、ローソンは2月6日に急きょ記者会見を開催。主な発表内容は、KDDIが4月をめどにローソンの株式をTOB(株式公開買い付け)で取得し、9月をめどにローソンを三菱商事とKDDIによる共同経営(合弁事業会社)になる見込みというものだった。

 その発表時に注目されたのが、キャリアとコンビニの関係性、ひいてはKDDIとローソンの関係性だった。ローソンの大株主であるNTTドコモとKDDIはともにローソンの株を保有している。比率はKDDIがおよそ2.1%、ドコモがおよそ2.0%だ。TOBが成立すれば、ローソンに対するKDDIと三菱商事の出資比率は50%ずつとなり、ローソン株は上場廃止となる見込みだ。

ドコモ NTT d払い dポイント ローソン株主の情報(画像の出所:財務情報の分析や収集に役立つバフェット・コード)

 KDDIとローソンは「約1万4600拠点のローソン店舗と、約2200拠点のauショップ」などを生かし、これらの拠点を利用する人が、「オンライン診断の後に服薬指導や、薬の受け渡しをローソンでできたり、KDDIの金融サービスや、スマートフォンに関するサポートを受けたり」できるような構想を描く。リアルとオンラインをうまく融合した次世代コンビニエンスストアのようなイメージだ。

 これを受けて、NTTとドコモが具体的な対抗策を発表したわけではないが、NTTの島田明社長は「ローソンでドコモのd払いやdポイントを引き続き利用してもらえるよう、われわれとしても努力していく」との考えを述べた。

ドコモ NTT d払い dポイント KDDIと同じくドコモもローソンとの関係を持っており、ローソンが2015年6月からdポイントを導入した

 日頃からローソンを利用する人としては、「今後、KDDIが資本業務提携しているロイヤリティ マーケティングの「Ponta」しか使えなくなるのではないか?」という疑問が頭をよぎるだろうが、この点についてはローソンの竹増貞信社長も、「dポイント(の利用)をなくす方向なのか」という質問に答える形で、「基本的にはお客さまが選ぶものであると考えている」として、Pontaポイントとdポイントを引き続き利用できるようにしていく考えを示していた。

 次世代コンビニを目指すローソンの発表の裏で、飲食料品、日用雑貨の購入や、ATM、コピー機などの利用など、今や生活のあらゆる場面を下支えする「コンビニでのポイント利用」に関しても、一部の記者からの注目が集まっている。

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