では、肝心の装着感や視認性、音質はどう違うのか。
Rokid Maxと、これまで使ってきたXREAL Air 2 Proの装着感を比べると、それほど大きな差はない。どちらもいわゆるVRゴーグルのような“頭に何かを被っている感”はなく、本当にメガネ感覚で気軽に使える。重量はRokid MaxもXREAL Air 2 Proも75gとなっている。
続いて視認性について。ここは購入検討者のほとんどが気になるだろう。視野の広さはRokid Maxが50度、XREAL Air 2 Proが46度で、Rokid Maxの方が広いが、段違いとまではいえず、微々たる差だと感じる。グラス内をのぞいているときは、映像コンテンツなどに集中できるが、四隅を見ればフレームの影が見えてしまう。
解像度(片目)についてはどちらも1920×1080ピクセル。ディスプレイの最高輝度はXREAL Air 2 Proが500ニト、Rokid Maxがさらに明るい600ニトだ。この違いは屋外での使用で分かる。Rokid Maxの方が日差しの強い日でも明るくて見やすい。
使い勝手でもRokid Maxの方を評価したい。Rokid Maxは本体のダイヤルを回すと、視度を調整できる。近視と遠視の人に向く。ちなみに、XREAL Air 2 Proで視度を調整するには、別途「補正レンズ」を用意する必要がある。その点、コストをかけずに片手で視度を調整できるRokid Maxはとても親切だ。
逆にRokid Maxにはなく、XREAL Air 2 Proにしかない特徴もある。それは「電気クロミック調光」だ。ボタン1つでグラスの透過度を3段階に切り替えられる。誤解なきように強調しておくが、これはディスプレイの明るさではなく、透過度を電子的に切り替える機能だ。より没入したいときは透過度を下げることで、まるで真っ暗闇で見ているかのような体験を得られ、現実空間を見ながらコンテンツも見たいときは透過度を上げる、というような使い方ができる。
ただ、今のところは現実空間とグラス内の映像を同時に見たい場面がないため、正直いってXREAL Air 2 Proの電気クロミック調光は必需機能になっていない。
音質についてはどちらもほとんど差はない。どちらもツルの部分にスピーカーが内蔵されており、耳へなるべくダイレクトに音が届くように設計されている。一方で、イヤフォンではなくスピーカーから音が出るので、当然ながら音漏れはある。図書館や電車など、音漏れによって、他人に迷惑が掛かるような場所では利用しづらい。
ワイヤレスイヤフォンから音を出力しながら、Rokid MaxかXREAL Air 2 Proで映像を楽しむことは可能だが、イヤフォンによってはこの使い方ができないので、公式に推奨されていないのだろう。
ここまで、XREAL Air 2 Proユーザーから見た、Rokid MaxとRokid Stationの魅力を語ってきた。今のところ不便に感じるのは、一部ワイヤレスイヤフォンと相性が合わないことくらい。その他は満足している。
ドコモオンラインショップではRokid MaxとRokid Stationがセットになった「Rokid AR Joy Pack」が8万4800円で販売されているが、XREAL Air 2 Proは公式サイト、Amazonなどを通じて6万1980円で販売されている。価格差は2万2820円と、乗り換えのハードルになるだろうが、グラス単体を購入するよりもRokid AR Joy Packの方が得られる体験は間違いなく大きい。
これからしばらくの間はRokid MaxとRokid Stationで映画を見たり、Android TV向けのアプリを使ったりしたい。
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