一方で、下記のことはできないため、困る人は少なからずいるだろう。
ポイント付与と利用については、PayPayでの決済時に付与されるポイントではなく、dポイント、Tポイント、楽天ポイントの付与/利用が不可という意味だ。いわゆるポイントの二重取りはできないし、コード決済サービスではなくポイントのみで会計したい人にとっても、現状のデメリットといえる。
なお、すかいらーくホールディングス広報によると、「2024年度中にすかいらーくアプリでのクレジット決済や、dポイント、Tポイント、楽天ポイントの進呈が可能になる」ため、現状のデメリットは解消されるはずだ。
領収書は経費精算の際に必要とする人もいるので、これが発行されないとなると、困る人がいるだろう。
個別会計ができないのもデメリットの1つだろう。例えば、複数人で来店し、会計を分けることはできない。どうしてもの場合はPayPayのグループ内でPayPay残高を送り合うことが可能な「グループ支払い(わりかん機能は2023年5月31日で終了)」を利用するか、複数人のうちの1人が1つのPayPayアカウントでまとめて会計をするしかない。
実は上記の他にも困ったことがあった。
それは会計前に皿を片付けられたことで、未払いのままとなり伝票もどこかへ持ち去られてしまったこと。店舗スタッフとの交渉の結果、伝票を返却してもらい、タブレットで決済完了まで進めたため、二重会計にはならなかった。せっかくタブレットがあるなら、何らかの理由で席から離れているものの、食事中である旨の記載はできないものだろうか。DX化とは名ばかりにユーザーへの配慮不足と受け取れる。
この1件でもう1つ懸念したのが──食い逃げ──につながらないのかという点。会計前に席を離れて皿を片されたということは、それを逆手にとって食い逃げする人が出てくる恐れがある。防犯カメラはあるので、食い逃げか否かは確認できそうだが、店舗によっては死角になりそうな場所がある。
ちなみに、今回、退席時にタブレットが「会計前ですので席を離れないでください」「トイレへ行く場合は食事中のボタンを押してください」などという文言とともにアラートを出す機能はない。他の大型店舗でも同じくテーブル決済を利用する前にトイレへ行ったが、それでもアラートは表示されなかった。
ここまでの所感をまとめると、注文から決済までをタブレットで行える点が最大のメリットだ。卓上タブレットにPayPayの決済システムが導入されることにより、PayPayユーザーは混雑する時間帯などにおいてもレジに並ばずに会計できる。
ポイント利用や個別会計などができないことは重要な留意点といえるが、それ以前に食事中かつ会計前に席を離れることは少なからずあるはずなので、すかいらーくホールディングス側にはタブレットの改善について見直してほしい。
なお、すかいらーくホールディングス広報によると、「テーブル決済で利用できる決済サービスに楽天ペイが4月中に追加される」ので、楽天ペイユーザーにとって朗報だ。
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