ここまでお伝えしたように、端末の発表からロゴの刷新に至るまで、今回の発表は、新たな海原にかじを切る“新生FCNT”の所信が表れている。
主力商品となる端末の原材料費の高騰や、円安などによるコスト高の影響を受け、資金繰りが急速に悪化し、旧FCNTは経営破綻に至った。原価高騰や円安は2024年5月も続いており、Lenovoグループ傘下になったとはいえ、新生FCNTは今後もこうした問題と向き合わざるを得ない状況といえる。
Lenovoグループ傘下になった意義は何だろうか? 桑山副社長は「新生FCNTを強い企業に成長させる」と意気込んだ上で、「Lenovoグループの持つ調達力や海外の販売チャネルを生かす」方針を打ち出した。arrows We2シリーズの部材の一部には、「新製品の部材の一部にはLenovoグループの調達力を生かした部材が活用されている」(桑山副社長)という。
「妥協せずに積極的に投資も行う」とも話す桑山副社長は、「投資一辺倒というわけではなく、投資対効果を見極めて、利益体質の会社に変わっていく」とし、弱点克服をアピールする。
さらに、新生FCNTが旧FCNTから「脈々と受け継いだarrowsシリーズ、らくらくシリーズに磨き上げるとともに、グローブグループの傘下になったことで、相乗効果が見込める他、筋肉質な企業に成長することで、魅力的な商品を皆さまにお届けできる」(桑山副社長)という。
なお、Lenovoグループには米国に本拠を構える「Motorola Mobility(モトローラ・モビリティ)」が存在し、日本市場でも日本法人(モトローラ・モビリティ・ジャパン)を通して製品を販売している。Lenovoは「FCNT」「Motorola」のブランドを生かし、日本国内の携帯電話端末市場での地位を高めるとしている。
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