出先での充電ニーズが増えると考える橋本氏だが、モバイルバッテリーを既に所有している人は、そもそもモバイルバッテリーシェアリングサービスを使うのか? という疑問もわく。
INFORICHがモバイルバッテリーの所有者にChargeSPOTの利用意向を聞いたところ、3分の2の人が利用する可能性を示した。理由に挙がるのは「荷物を減らせるから」「持ち歩くのが面倒だから」などだった。
調査ではモバイルバッテリーを購入した人に対し、購入時にChargeSPOTの存在を知っているかどうか聞いたが、85%もの人が「知らない」と回答した。既にモバイルバッテリーを持っている人は3年に1度のペースで買い替えていることも分かったという。
モバイルバッテリーシェアリングサービスの市場を見ると、バッテリースタンド設置シェア率はChargeSPOTが82.8%とトップを獲る。ChargeSPOTの利用者は10代が14%、20代が42%と全体で最も多く、以降は30代が19%、40代が15%、50代が8%、60代が2%と緩やかに減っている。
若者が多く利用し、それ以外の年代に浸透していない要因は、キャッチコピーにあると考える。例えば、公式Webサイトの文言は「行き先で、スポッと返却」となっており、初見だと何のことかが分かりづらい。
加えて、駅構内の改札付近という人目に触れる場所に設置された、広告付きのバッテリースタンドは、目線の先に巨大広告があり、ChargeSPOTの張り紙はその上のわずかなスペースにしかない。
バッテリースタンドは、特にリテラシーの低い人からすれば、何に役立つかが分からないはずだ。そのため、キャッチコピーを「コンセント難民を助けるバッテリーレンタル」とし、バッテリースタンドの在り方の見直しも必要だと筆者は考える。
INFORICHが今後、ターゲットとすべきは、既にバッテリーを所有している人ではなく、バッテリーを持ち歩きたくない人や、ACアダプターの所有者で電源の確保に困っている人だ。
バッテリーは持ちたくないが、ACアダプターは持っている。でも、出先でわざわざコンセントを使うために、マクドナルドへ駆け込み席を確保、充電のためだけに数百円払ってコーヒーやハンバーガーを注文するくらいなら、1時間未満で330円(7月1日以降の料金)のChargeSPOTがうってつけではないか? そう思ってしまう。
こんなストーリー仕立てで、困り感を解決してあげると、ChargeSPOTの認知がより広まり、「端末の長寿化やAIスマホ増加などで、モバイルバッテリーシェアリングの重要性が高まる」とするINFORICHの説得力も増すのではなかろうか。
今後、スマホ充電の需要がますます拡大する見込みだけに、ChargeSPOTの利用者を街中で見かけるくらいにまで成長することを期待したい。
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出先でスマホのバッテリーがピンチ 街中で即充電するには?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.