「ポケモンGO」8周年 リリース当初からブレない思い、リアルイベント開催の舞台裏をNianticに聞く(4/4 ページ)

» 2024年07月13日 06時00分 公開
[田中聡,ITmedia]
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「シンプルであること」は2016年からブレずに意識している

―― 2024年は「再発見」のアップデートが続いています。

石塚氏 2016年のリリース当初から、スマートフォン自体もパワーアップしていますし、私たちがやりたくてもできなかったことができています。

 その1つがマップ、キャッチスクリーンの刷新です。実際に訪れて、そこの環境により近いもの、よりたくさんのパターンがある場所で出会い、楽しんでほしいと思って作ってきました。GOスナップショットもそう。いろいろな場所に行って皆さんと思い出に残してもらいたい。実はGOスナップショットが出てから5年がたちますが、5年前ではできなかったことができるようになってきました。皆さんの意見も聞きつつ、より素晴らしい体験ができるようになりました。

 私たちはどうしても、最先端のスマートフォンを考えてしまいますが、いろいろな方がプレイするので、その方も含めて同じ体験をできるかを常に考えています。

Pokemon GO Fest 2024 2024年の大型アップデート「再発見」により、アバターや生息地などのビジュアル、GOスナップショットが刷新された

―― これまでで特に成果や反響の大きかったイベントはありますか?

石塚氏 どのイベントも全力で準備してきていますし、仙台市さんも含めて、どの自治体の方々からも、多大なサポートをいただいています。その中で振り返ってみると、2019年の横浜のGO Festがあったから乗り越えられたという気持ちが強いですね。“フォーマット”が決まったというところもあります。

―― 2016年から、ポケモンGOのユーザー属性が変わった、あるいは広がってきた面はありますか?

石塚氏 ありがたいことに、ずっと続けてくださっている方と、新しく入ってくださっている方が、非常にバランスよく存在してくださっていることによって、さまざまなプレイスタイルが生まれています。

 初心者がポケモンを育成しにくいという指摘もありますが、ずっと続けている方からすると、やり応えがあるものを求められるので、ワンパターンではなくて、頑張ったことが成し遂げられて、「やったんだよ」と紹介できるような深み作っています。

 それと同時に、カジュアルにプレイできることも常にこだわっています。特に2016年に一気に世界中で広がったことは、「シンプルであること」がすごく大きかった。これは、2016年も今も、全くブレずに同じ思いで作っています。もちろん、いろいろな機能を追加することによって、難しくなってしまうところはありますが、これ(シンプルさ)は意識しいています。

 ポケモンGOの強みは、世界中でさまざまな方がプレイしていて、たくさんのスタイルが存在します。2019年に「好きなようにGOしよう」というキャンペーンを行いました。ずっとそれから心掛けている言葉です。どんなスタイルでプレイしてくださってもいいんですよと。

Pokemon GO Fest 2024 2019年に実施した「好きなようにGOしよう」キャンペーン。渋谷の街でのポケモンGOの楽しみ方を提案した

 ポケモンをたくさん捕まえることが好きな人、捕まえたポケモンたちとバトルするのが好きな人、隙間時間で楽しむ人、仲間たちと集まってわいわいプレイする人、ポケモンGOを通して写真を撮る人。このさまざまなスタイルをサポートできるよう、各機能を作ってきています。もしかすると、新しい機能を出したときに、「この機能ってそんなに重要なの?」と思う人もいるかもしれないですが、さまざまなスタイルの人に届けられるよう、意図を持って作り上げています。

―― 新機能を導入するにあたり、ユーザーやコミュニティーの声を拾うといった取り組みもしているのでしょうか。

石塚氏 UXのチームにはリサーチャーがいます。SNSに挙がっている声は、どうしてもハードコアな人の声が大きくなってしまいます。実際のところ、カジュアルに楽しんでいる人がすごく多いんです。いろいろ方がそれぞれのスタイルで楽しんでいる。その部分のご意見をおうかがいするためにも、UXリサーチャーが、さまざまなトレーナーにインタビューをして情報を吸い上げています。それらをもとに、アイデアを練っています。実際に作ったものをテストしてもらうこともあります。

取材を終えて:開催地への思いを感じ取れたGO Festだった

 Pokemon GO Fest 2024:仙台は、過去に開催したPokemon GO Festの知見を生かして、最適なタイミングや場所に配慮してきたことがうかがえる。スマホゲームの命綱ともいえるネットワークも、万全の準備を整えていたことが分かった。

 今回、特に興味深いと感じたのは、開催地である仙台のテーマを設定し、そのテーマに沿ったポケモンたちが出現すること。そうすることで、その土地で開催する意味が生まれるし、トレーナーたちにとっては、より思い出に残るイベントになるだろう。

 単にレアなポケモンをゲットするだけでなく、GO Festを通じて、その土地のことをもっと知ってほしい――そんなNianticの思いを感じ取れた。

 Nianticがあらためて「リアルイベント」を大切にしていることをもよく理解できた。ポケモンGOにはさまざまなプレイスタイルがあるが、やはり基本は外に出掛けて遊ぶこと。その意味で、GO FestはポケモンGOの原点回帰ともいえるイベントだ。今後も、トレーナーたちの絆を深め、思い出に残るイベントを開催してくれることに期待したい。

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