―― スマホ以外というのもありえるのでしょうか。
亀井氏 そういうものも考えていますし、量販店で購入する際のためのものもできると思っています。端末(スマホ)ありきとは、考えていません。
―― まだ始まったばかりですが、成果はいかがでしょう。
亀井氏 まだ1回目に配った方のクーポンが有効期限を迎えていないので正確には分かりませんが、端末だけを買っていただけるケースは増えています。新しい商品が出たのを認知してもらえる機会も増えました。
―― 既存ユーザーを優遇する一方で、新規契約の割引もそこそこ大きくついています。ここは変えないのでしょうか。
矢吹氏 そこは従来通りです。今や端末販売のIIJのようになってしまっていますが(笑)。ここは、亀井と辻(久司 副部長)がしっかりやっています。
メーカー側も、SIMフリーマーケットに対する見方が徐々に変わってきていて、だいぶこちらに振り向いていただけるようになりました。ただ、せっかく端末を買ってIIJmioに入っていただけたのであれば、買い替えるときもそのメーカーを選んでいただきたい。メーカーとは、OPPOならOPPO、XiaomiならXiaomiにちゃんと買い替える仕組みを作ることに協力したいとお話ししています。
―― 次に、家族割引についてうかがいます。この狙いを教えてください。
亀井氏 旧料金のファミリープランに残られている方が、まだたくさんいます。複数回線割引への要望もあり、これが響くと考え形にしました。キャンペーンというのではなく、サービスとして一律条件で見合った方には必ず適用するようにします。
矢吹氏 これもずいぶん前からやりたかったことの1つです。ただ、名義変更ができる仕組みがないと、お子さんが巣立ったときなどに解約するしかなくなってしまう。その辺をちゃんと作らなければいけないということがありました。名義変更は開発の難易度が高い一方で、なかなか優先度を上げられなかったのでリリースには時間がかかりました。そのめどが立ったので、合わせて家族割引も展開していきます。
IIJmioでは現在、結婚などで改姓したユーザーを除いて名義変更を受け付けていないが、そのめどが立ったという。これにより、子どもが独立して支払いを分ける場合でも同一mioIDにとどめることができ、家族割引の対象になる(具体的な時期は未定)―― ちなみに、離れて暮らす家族や家族ごとに名義が違う場合には適用されないのでしょうか。
亀井氏 支払いグループの中に複数回線があれば、音声プランから100円ずつ引いていく仕組みです。そこはあまり考えていませんでした。
矢吹氏 Web申し込みなので、(家族であることの)チェックする手間があまりかけられないという事情もあり、われわれの持っている仕組みの中で、同一支払いを家族の定義にしています。ただ、おっしゃる通り、家族が別のカードで払っていることもあるので、それをシステム的にどう対応していくかは課題の1つです。
―― 100円割引という金額はどのように決まったのでしょうか。
亀井氏 先に楽天モバイルが110円割引をやっていましたが、私たちもすぐにキャンペーンとして100円割引を展開しました。それをそのまま引き継いだ形です。もとの料金が安く、原資もあるので大幅な割引は難しい。プランごとに段階をつけることも考えましたが、一律100円の方が分かりやすいのでこのようにしました。
―― 大容量プランだと割引率は下がってしまうので、そこだけ手厚くすることもできたような気がします。
亀井氏 それも考えましたが、2GBだと割引がなく、30GBだと割引があるというのもちょっといやらしいので、ボツにしました。分かりにくいですし、なぜ30GBからなのかという線引きに答えが出ないからです。
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