さて、前述の通りスマートフォンの表面温度が上がると、必然的に端末の内部温度も上がる。特にバッテリー温度の上昇は要注意で、バッテリーの膨張、破裂といった形で事故にも直結する可能性が高い。
NITE(製品評価技術基盤機構)によると、炎天下の車内にモバイルバッテリーやハンディーファン(手持ち扇風機)を放置、落下したことが原因によるリチウムイオンバッテリーの発火事故が報告されている。同じようなバッテリーを搭載するスマートフォンも例外ではなく、高温環境に長時間放置するとバッテリーが膨張して画面が浮き上がることで本体の故障にもつながるのだ。
特に注意したいのは、普段使うスマートフォンではなく、車内でカーナビや音楽プレイヤーの代わりとして使っている古いスマートフォンやタブレット端末だ。これらは普段から外へ持ち出さずに「車内に置きっぱなし」という方も少なくない。
これらのスマートフォンは長期の使用でバッテリーも劣化しており、高温環境下では膨張や破裂のリスクがより高まる。また、高温環境での耐久性や発火時の保護機構が施されていないバッテリーを持つ機種もあり、最悪の場合、火災になるなどの危険な状況に陥る。
特に自動車のダッシュボードは70度を超える高温になることも珍しくなく、タフネス端末をはじめとした高耐久の機種でもこの高温は想定されていないものが大半だ。夏場はスマートフォンをダッシュボードの上に置くことは控えよう。
車内が熱くなる可能性が考えられるこの時期。車載用の古いスマートフォンやタブレット端末をどうしても車内から持ち出せない場合は、直接日光の当たらない場所に置く、シートなどで覆いをかぶせるなどの対策が必要だ。
9月に入ってもまだまだ夏日が続いている。そのような中では人間のみならず、スマートフォンの熱中症対策も続けることが大切だ。手っ取り早い対策として白いスマホケースを使ってみるのも、暑い夏を乗り切る手段として筆者はアリだと考える。
●著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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