黒いスマホやケースは発熱しやすい? 白いスマホケースと比べながら実験してみた(2/2 ページ)

» 2024年09月08日 06時00分 公開
[佐藤颯ITmedia]
前のページへ 1|2       

古いスマートフォンは要注意 高温環境では最悪の場合、バッテリーの破裂も

 さて、前述の通りスマートフォンの表面温度が上がると、必然的に端末の内部温度も上がる。特にバッテリー温度の上昇は要注意で、バッテリーの膨張、破裂といった形で事故にも直結する可能性が高い。

 NITE(製品評価技術基盤機構)によると、炎天下の車内にモバイルバッテリーやハンディーファン(手持ち扇風機)を放置、落下したことが原因によるリチウムイオンバッテリーの発火事故が報告されている。同じようなバッテリーを搭載するスマートフォンも例外ではなく、高温環境に長時間放置するとバッテリーが膨張して画面が浮き上がることで本体の故障にもつながるのだ。

 特に注意したいのは、普段使うスマートフォンではなく、車内でカーナビや音楽プレイヤーの代わりとして使っている古いスマートフォンやタブレット端末だ。これらは普段から外へ持ち出さずに「車内に置きっぱなし」という方も少なくない。

 これらのスマートフォンは長期の使用でバッテリーも劣化しており、高温環境下では膨張や破裂のリスクがより高まる。また、高温環境での耐久性や発火時の保護機構が施されていないバッテリーを持つ機種もあり、最悪の場合、火災になるなどの危険な状況に陥る。

 特に自動車のダッシュボードは70度を超える高温になることも珍しくなく、タフネス端末をはじめとした高耐久の機種でもこの高温は想定されていないものが大半だ。夏場はスマートフォンをダッシュボードの上に置くことは控えよう。

 車内が熱くなる可能性が考えられるこの時期。車載用の古いスマートフォンやタブレット端末をどうしても車内から持ち出せない場合は、直接日光の当たらない場所に置く、シートなどで覆いをかぶせるなどの対策が必要だ。

スマホ発熱 筆者の実験では10分たたずに50度を超える高温になっていた。お手洗いや買い物などでほんの数分車から離れただけでもかなりの温度上昇が考えられる

 9月に入ってもまだまだ夏日が続いている。そのような中では人間のみならず、スマートフォンの熱中症対策も続けることが大切だ。手っ取り早い対策として白いスマホケースを使ってみるのも、暑い夏を乗り切る手段として筆者はアリだと考える。

●著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

・X:https://twitter.com/Hayaponlog

・Webサイト:https://www.hayaponlog.site/

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  3. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  4. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  9. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー