iPhoneは毎年買い換えた方がお得なのか 長期利用のメリットと注意点も考える(2/2 ページ)

» 2024年09月16日 10時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

同じiPhoneを使い続けるメリットと注意点は?

 「進化を感じられない」「買い替えるのが面倒」「買い取り額と新品の価格が約3万円でも負担になる」などの理由から、毎年9月に新しいiPhoneが発売される度に買い替えるのをためらう人もいるだろう。では、iPhoneを毎年買い替えない場合、得られるメリットはあるのだろうか。大きく2つある。

 1つは、使い慣れたiPhoneを使い続けられること。毎年買い替えたとしても、操作方法や使い勝手が大幅に変わることはほぼないが、「iPhone SE(第3世代)」はコンパクトなボディーにホームボタンが付いたiPhoneで、ラインアップの中で唯一、指紋認証でロックを解除できる。

iPhone 機種変更 長らくホームボタンを採用してきた「iPhone 8」までの使い勝手と大きく変わらない「iPhone SE(第3世代)」。比較的小型であるという理由からも人気の機種だ

 もう1つは、毎年買い替えるよりも出費を抑えられる場合があること。例えば、iPhone 15(128GB)を使い続けるうちに、バッテリーの寿命が短くなり、新しいバッテリーに交換した場合、1万5800円の出費で済む。「AppleCare+」に加入していて、最大容量が「本来の80%未満に低下している場合」は、無償でバッテリーを交換できる。

iPhone 機種変更 iPhone 15のバッテリーを交換した場合に負担する金額。左が「AppleCare+」未加入の場合の金額、右が加入かつ最大容量が本来の80%未満に低下している場合の金額(画像はiPhone バッテリーの交換というページより引用)

 買い取りのサービスやキャリアの端末購入補助プログラムを利用し、iPhone 15(128GB)からiPhone 16(128GB)に買い替えた場合に負担する約3万円よりもはるかに安い。最近では、スマートフォンの価格高騰を背景に、同じ機種を長く使うニーズも増えている。内閣府が公表している「消費動向調査(2023年3月分)」でも、携帯電話の平均使用年数が4.4年となっていた。

 ただし、注意点もある。

 先にも触れた通り、iPhoneをはじめとする携帯電話は、基本的に型落ちするほど買い取り額が低くなる。あまりにも古い機種やバッテリーが劣化した機種は、買い取り業者で買い取ってもらえず、手放す方法は「リサイクル・回収ボックスへの持参」や「キャリアショップでの処分」に限られてくる。

 OSのアップデートについても注意したい。Googleの「Pixel」シリーズと違って、AppleはiPhoneのアップデート保証期間を公式には明かしていない。最新OSの発表ごとに、それをサポートする機種を明かし、そこから除外された機種は、サポート対象外となる。ちなみに、「iOS 18」の対応機種は以下の通り。

  • iPhone 15
  • iPhone 15 Plus
  • iPhone 15 Pro
  • iPhone 15 Pro Max
  • iPhone 14
  • iPhone 14 Plus
  • iPhone 14 Pro
  • iPhone 14 Pro Max
  • iPhone 13
  • iPhone 13 mini
  • iPhone 13 Pro
  • iPhone 13 Pro Max
  • iPhone 12
  • iPhone 12 mini
  • iPhone 12 Pro
  • iPhone 12 Pro Max
  • iPhone 11
  • iPhone 11 Pro
  • iPhone 11 Pro Max
  • iPhone XS
  • iPhone XS Max
  • iPhone XR
  • iPhone SE(第2世代)
  • iPhone SE(第3世代)

 なお、7年前のiPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plusは、2023年に登場した「iOS 17」でアップデートの対象から外れたが、セキュリティアップデートは提供されている。実際、最新のiOSではないものの、2024年8月7日には「iOS 16.7.10」が配信された。とはいえ、こちらも提供期間が明かされておらず、永久的な保証ではない。

 OSがアップデートできなくなると、アプリの提供元や開発者が古いOSのサポートを打ち切ってしまい、それまで利用できていたアプリを継続利用できなくなる。iPhoneの同じ機種を長らく使い続けるうちに、気付いたときにはセキュリティアップデートの対象外となり、セキュリティリスクにさらされてしまう、ということもあり得る。

iPhone 機種変更 セキュリティアップデートがどのような機種に配信されているのかが分かるページ。OSアップデート打ち切りのiPhone 8だが、つい最近までセキュリティアップデートが配布されている(画像はAppleのセキュリティリリースより引用)

買い替えの際の出費や長期使用のリスクを考えた上で判断したい

 まとめると、iPhoneを毎年買い替えた方がお得だと考えるのは、買い取りサービスの事業者がiPhoneを高額で買い取る事例があり、特に9月から10月にかけて増額するキャンペーンを利用できることに加えて、キャリアで購入すれば分割払いや返却などの条件があるとはいえ、一括価格より割安な価格で入手できるからだ。

 毎年買い替えるかどうかは、人ぞれぞれの判断でいいと思うが、まずは自分がどれくらいまでの金額なら出費を許せるか、同じ機種を長期的に使いすぎるリスクを考えられるかなど、冷静になって考えるのが重要だ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー