NTTドコモが8月、電子ペーパー対応のiPhone向けケース「e-paper case 01」を発売した。ドコモオンラインショップでの価格は9790円(税込み)。現時点での対応機種はiPhone 13、iPhone 14、iPhone 15の3機種のみ。
このケースは、スマホアプリから設定した画像を、背面の電子ペーパーに表示できるのが大きな特徴。ドコモはこのケースを開発した背景に、好きなキャラクターを応援する「推し活」を挙げている。スマホのクリアケースに、好きなアーティストやキャラクターの写真やイラストなどを挟む使い方が、若年層で流行となっているようで、こうしたニーズに応えるべく開発したのだという。
好きなアーティストやマンガは自分の中にとどめておき、仲間内で時折話す程度の筆者(40代後半)にとって、スマホケースで推し活をするという感性はないが、それを抜きにしても、「ケースの背面に好きな画像を表示できる」のはガジェットとして面白い。このe-paper case 01ではどのようにして画像を転送して、見た目はどんな感じになるのか、使用感を試してみた。
まずはApp Storeから「e-paper case」アプリをインストールしよう。アプリには「編集」「テーマ」「お気に入り」という3つのタブが下部にある。好きな画像をケースに表示させたければ編集を選択。画像を電子ペーパー用に編集し、転送することができる。
「編集を始める」をタップすると編集画面に切り替わり、「画像」を選ぶと、端末に保存した画像を選択できる。続いて表示させる範囲を決めよう。他に、手書き文字やテキストの挿入、背景色の変更などが行える。
編集が終わって「完了」を選ぶと「作品」が完成し、電子ペーパー上のプレビューが表示される。電子ペーパーは4色表示なので、通常のスマホ画面とは趣の異なる画像に仕上がる。ここでコントラスト比と点密度を調整したり、3色やモノクロに変換したりできる。
最後に「使用」を選ぶと、NFC経由で画像がケースに転送され、設定した画像が電子ペーパー上に表示される。画像の転送は15秒ほどで完了するが、書き換えている最中は電子ペーパーがチカチカ動いて目に悪いので、電子ペーパーは見つめない方がいい。画面上に「携帯ケース画像の更新に成功」と表示されれば転送完了だ。
書き換え後は消費電力が発生しないので、スマホのバッテリーがなくなっても電子ペーパーのコンテンツが消えることはないという。また、ケースを外しても電子ペーパーの画像は表示されたままなので、他のケースに付け替える際に、画像を再表示させる設定は不要だ。
表示する画像は複数作成でき、☆マークをタップするとお気に入りに格納されて見つけやすくなる。同じ画像でも、手書きの編集をしたり、その手書きをあとから削除して写真のみにするなど、複数のパターンを残すこともできる。
なお、電子ペーパーはタッチ操作には対応しておらず、画像を変更するには、アプリから画像を呼び出して「使用」から切り替える必要がある。やや手間ではあるが、このあたりはホーム画面やロック画面の壁紙変更と同じ感覚と考えればいい。
e-paper caseアプリには、ドコモ・スタジオ&ライブ所属のボーイズグループ「OWV(オウブ)」のアーティスト画像やOWVメンバー描き下ろしのイラストに加え、阪神タイガースの球団ロゴ、マスコットキャラクター、所属選手のユニフォームを表現したイラストがプリインストールされている。素材を編集するのが面倒という人は、取りあえずこれらのプリインストールコンテンツを試してみるといいだろう。特に阪神タイガース関連の画像は、そもそもの色数が少ないので、こちらの電子ペーパーでも違和感なく表示されるものが多い。
電子ペーパーは4色表示なので、写真をそのままのカラーで表示できないのは残念だが、これはこれで味のある見せ方ともいえる。逆に、4色表示だからこそ、「自分の趣味をあまりおおっぴらにしたくはないけど、さり気なく見せたい」というニーズも満たせそう。
ビジネス用途では、週の予定やカレンダーを表示させる、オフィスの入退室に必要なQRコードを表示させる、といった使い方も可能だろう。商談の場でさり気なく電子ペーパー側を見せてスマホを置くと、話題のきっかけにもなりそうだ。
対応機種がiPhone 13、14、15のみなので、ProやiPhone 16シリーズ、そしてAndroidスマートフォンにも拡充してほしいところ。電子ペーパーは壁紙の表示しかできないが、疑似的な2画面スマホとしても活用できる。手軽に背面画像の着せ替えができるので、自分の趣味をそこはかとなくアピールしたい、人とは違ったスマホケースを持ちたいという人にお勧めしたい。
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