OSには、「EMUI 14.2」が搭載されていた。米国の制裁を受け、Googleのサービスを使用できなくなったファーウェイは、現在、発売中の端末を独自開発の「HarmonyOS」に置き換えている。Harmony OSはAndroidをベースにしながら、独自のカスタマイズを加えたものだったが、中国ではより独自性を高めた「HarmonyOS Next」の投入も進めている。
一方で、EMUIはどちらかといえばユーザーインタフェースに近い。Googleサービスの利用ができなくなった後に日本で発売された「P40 lite」「P40 Pro」にもこれが採用されており、Android用アプリは、Google Playを介さず、APKファイルを直接インストールする形でなら利用できた。制約はあるが、Googleサービスが一般的な国や地域ではこちらの方が使いやすい。Mate XTを中国から広げていくにあたり、アプリのエコシステムを重視し、あえてEMUIを搭載したことがうかがえた。
そのギミックほど奇をてらった端末ではないように思えたMate XTだが、価格のインパクトは大きい。中国で先行発売した際には、256GBのストレージを搭載したモデルが、1万9999元(約40万円)だった。クアラルンプールでの発表会では、価格をユーロで発表。その額は3499ユーロ、日本円に換算すると約55万円にものぼる。1台3役のデバイスだが、価格も3台分かそれ以上になってしまった。展開国も限られているため、普及の仕方は緩やかになる可能性もありそうだ。
クアラルンプールの発表会では、耳掛け式のイヤフォン「HUAWEI FreeArc」も発表された。同モデルは、2月7日に日本で発表されていたモデルだが、そのグローバル展開が改めて明かされた形だ。機能やカラーバリエーションなどは、日本で発表されたものから変更はない。また、反射を抑え、紙のような書き心地を実現したPaperMatteディスプレイを搭載の「HUAWEI MatePad Pro 13.2」も発表された。ウェアラブル製品では、「HUAWEI Band 10」を公開している。ただし、こちらは実機の展示がなく、スライドのみでの発表となった。
(取材協力:ファーウェイ・ジャパン)
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